1 策を練る事はできる。 最大の問題は、逃げようと思えばどこにだって逃げられるアリシアを、上条達がどうやって追い詰めるのかという点だ。それは、大海原を自由に泳ぐ魚を、人間が手掴みに挑戦するにも等しい。 これに対して、上条は『問題ない』と答えた。 こちらから無理に追わなくても、アリシア=マクスウェルの方からやってくるから、と。 「……、」 誰もいない無人の立川。まるで滑走路のように真っ直ぐ伸びる幹線道路。道が十字に重なる巨大な交差点の中央に立つ上条当麻は、その場でぐるりと周囲を見回す。 いつの間にか、風景の中に白い少女が立っていた。 ツインテールの銀髪に控え目なワンピース。 画像写真の情報が正しければ、彼女がアリシア=マクスウェルだ。 「結局、お前はどっちの人間なんだ?」 先に声を掛けたのは、上条の方だった。 「科学サイド、それとも魔術サイド?」 「それ、分かっていて聞いて