スタジオジブリの名物プロデューサーとして30年以上にわたり、宮崎駿監督を支えてきた。一方で著書、ラジオ番組を持ち、活躍は多岐にわたる。新著のテーマは「文学」だが、宮崎監督が先ごろ引退撤回したのに伴い、再び多忙の日々だ。 (文・竹縄昌 写真・菊本和人) --『ジブリの哲学』から5年。今度は『ジブリの文学』です 「編集の方から、本に収められていない原稿がたまっているから、それをまとめたらどうか、と。編集者の構成には若さを感じました。宮崎駿との出会いのときに、彼を理解するために読んだ『方丈記』や『方丈記私記』(堀田善衛)のことを書いたエッセーから入って、そして、ジブリの作品に戻る。なるほどと感心しましたね。僕は自分を振り返ることはしないから、自分が書いたものがどんな必要があって書いたんだろうと考えながら読みました。体力がないとこういう構成ってできないし、やろうとしていることが明快でテーマと構成が