動学的一般均衡モデルに基づく潜在金利の推定方法について―パーティクル・フィルターの応用 2010年9月 北村冨行* 全文ダウンロード(PDF) 全文は英語のみの公表です。 要旨 本稿は、ゼロ金利下の金融政策の緩和度合いを動学的一般均衡モデルに基づいて計測するための、実証分析フレームワークを提示する。このフレームワークで用いる動学的一般均衡モデルは仮説的(hypothetical)なものであり、名目金利が、例えば中央銀行・政府による通貨への課税のために、ゼロ以下になり得ることが仮定される。本稿では、同モデルにおける名目金利を「潜在金利」と呼ぶ。潜在金利は、その値が正の場合には、中央銀行が操作目標とする実際の名目金利と一致し、直接観察される。一方、潜在金利が負の値をとる場合には、実際の名目金利はゼロにとどまるため、両者は乖離し、潜在金利は直接観察されない。潜在金利が負の値をとって実際の名目金