昨日のエントリで吉川洋氏の新書の記述を紹介したところ、そんなケインジアンの昔の本を引っ張り出しても…、というような反応を一部で貰った(例:ここ、ここ)。そこで、最近の吉川氏は経済学に関してどのような発言をしているかな、と思ってぐぐってみたところ、青木正直氏との共同研究がいくつか引っ掛かった。例えばこちらの論文を見てみると、やはりリアル・ビジネス・サイクル理論やルーカスに対して批判的なスタンスを見せていると同時に、奇しくも今年のノーベル経済学賞を受賞したサーチ理論をも槍玉に挙げている。 以下はその要旨。 The standard Walrasian equilibrium theory requires that the marginal value product of production factor such as labor is equal across firms and in