昨日取り上げた論文についにクルーグマンも反応した。そこで彼は、(昨日紹介した)ノアピニオン氏のブログエントリに加え、ディーン・ベーカーのブログエントリにリンクしている。そちらのエントリでベーカーは、かなり突っ込んだ論文批判を展開しているので、以下に簡単に紹介してみる。 論文では4つの民間産業をまとめて分析しているが、なぜその4業種をまとめて分析対象にしたのか説明が無い。彼らの表からすると、民間全部門を対象にしたら統計的に有意な結果が出ないことは明らかである。また、4業種をまとめて分析した場合でも、辛うじて有意であるに過ぎない。こうしたことからは、彼らは実際には多くの回帰を実施し、その4業種をまとめれば望む結果が得られることを発見したのではないか、という疑念が湧く。 操作変数も奇妙。まったく意味が無い変数では無いものの、同様に尤もらしい他の変数を使った場合の結果に興味が持たれる。感応度分析も