スペイン・サッカーのファンならば、一度はFCバルサの試合を見たことがあるだろう。バルセローナにあるカンプノウ・スタジアムでは、試合前半の17分14秒になると観客の中から「独立コール」が沸きあがる。 この17と14という数字は18世紀初頭に勃発したスペイン継承戦争で、カタルーニャが敗北したことにちなんでいる。1714年9月11日、スペイン国王フェリーペ5世の軍(カスティーリャとフランスの合同軍)は、ブルボン統治に反旗を翻したカタルーニャの都バルセローナを陥落させた。それと共に中世以来享受してきたカタルーニャ独自の法や政治制度は失われた(注1)。この日は「屈辱的な敗北の日」として人々の記憶に刻まれている。 (注1)中世、カタルーニャは固有の領域を持ち、独自の政治権力と法制度を備えた公国であった。その後、隣のアラゴン王国と同君連合を形成し、13世紀から14世紀初頭にかけて、その経済的中心地として