デザインの小さな哲学 ヴィレム・フルッサー 鹿島出版会 2009 Vilém Flusser Vom Stand der Dinge 1993 [訳]瀧本雅志 編集:川尻大介 装幀:伊藤滋章 デザインの語源は「計画する」だ。 それは先行する「しるし」を生かして、 その周辺を前方に脱出することだった。 つまりデザイン(構成化・意匠化)とは 「脱しるし化プロジェクト」のことなのだ。 いま、そのようにデザインを 前方にプロジェクトしているデザイナーが、 どこに、どれくらい、いるだろうか。 ヴィレム・フルッサーと松岡正剛が、そこを問う。 昭和の半ばまでは図案だった。これでは建築デザインやファッションやインテリアは入らない。工芸も工業デザインも図案とは言いがたい。これらをみんな含む日本語はおそらく意匠や工匠だろうけれど、こちらはどちらかというと装飾をほどこすという意味だ。デザインにあたる日本語には、