毎日 私の周りの山の色が濃くなっていく。 陽の光に照らされた鮮やかさ 日の陰りの中の濡れたような赤や黄 そのどれを見ても自慢したい。 「ほらほら、どうです、いいでしょう」 昨晩NHKFMを聴いていた。 谷川俊太郎と工藤直子の対談で 詩人の谷川が詩人の工藤に言う。 「詩は紙の上にはない。 読んでそれで感動したり 又 嫌いになったりして 初めてそれが詩になる。」 その詩を読み 感じて 心の中に残るもの。 それが詩人から読んだ人へ送った「詩」である と、私は理解する。 「詩は紙の上にはない」 に私が付け加えるとするならば。 自分を取り巻く全てのもの。 風景であり 暮らしであり 悩みであり 喜びであり 空想であり 怖れであり。 それらを言葉にし 紙の上で濾過し 香りたつもの。 若い頃は尾崎喜八が好きであった。 今は長田弘の詩が好きである。