あのボリュームのあるからだから、どうしてこんな繊細で、切々たる、やさしさにあふれた作品が生み出されるのか、 ふしぎなほどの天才、坂口さんなのです。 世に詩的といわれる漫画家はいっぱいいます。けれど坂口さんはほんものの詩人です。 彼の作品の詩は、メッセージは、心情は超一流です。そしてなによりも彼は自分の仕事を大事にします。 この短篇第二集でも、坂口さんの詩うメロディは、万人をたっぷり酔わせてくれるでしょう。(手塚治虫)-帯より "詩人"坂口尚先生が描く、珠玉のファンタジー作品集。 ――――――――――――――――――― 「影ふみ」 地元の少年と田舎の別荘地に療養で訪れた少女とのひと夏の出会いと別れ 坂口先生の繊細で柔らかな画と詩情あふれる演出を堪能できる作品。 「野の花」 これまでの窮屈な生活を飛び出し新たな自分を求めて家出した少女の道中を描いた作品。 ストーリーはなくほぼ、少女の置手紙によ