風呂場の照明を掃除すると、なぜか虫が証明の中に入っている。夏場は特に多いのだが、その中には数センチもあるような蛾が入っていたりすることもあるから驚く。 当然防水措置がなされているはずのものなので、水が入らないようパッキンにしろかなり厳重なつくりになっているはず、まあパッキンに沿ってネジ状に進めば一応中に入れないこともないのだろう……とはいえ、せいぜいあるとしても1ミリ2ミリ程度のそうした隙間、というよりトンネルをくぐってこじ開けるようにして羽根を広げれば3センチ5センチあるような蛾が照明の中に入る、あるいは5センチあるようなクモが中に入るということになるのだろうが、中には当然何もない。水もなければ甘い蜜もない。ただ明るいだけ。そうして死ぬまでの時間をその飢餓室で過ごすことになる。がんばってがんばってがんばった先にあるのがそれというのは、少々気の毒ではある。入ったはいいが何もない。入ったはい