2018.10.26コラム・エッセイ 皇后陛下もご愛蔵。英国王室にも愛される「ジーヴス」シリーズの人気の理由とは? ジャンル : #小説 84歳のお誕生日を迎えられた皇后美智子さまが公表されたおことばにあった一節、「ジーヴスも2、3冊待機しています」がにわかに読書人の注目を集めています。この「ジーヴス」とは、イギリスのユーモア小説の巨匠、P・G・ウッドハウス(P.G. Wodehouse, 1881-1975)が生み出したスーパー執事(正確には「執事butler」ではなくジーヴズは「従僕valet」)のことで、ウッドハウスは生涯にわたって、このジーヴズが活躍する短篇小説・長編小説を発表しました。 ウッドハウス没後40年あまりが経ちますが、いまも著書はイギリスで現役、「イギリス流ユーモア」の基本の基本と見なされています。英国流のユーモアにありがちなブラックさはウッドハウスにはなく、天真爛漫で