『ゴーイング・メインストリーム 過激主義が主流になる日』を読み終えた。気候変動懐疑論や反ワクチン、白人至上主義などのグループに潜入調査して現場を解き明かしていく作品。 この本では、さまざまな「過激主義」と呼ばれるものの内部に著者が潜入調査し、イベントや集会に参加し、テレグラムでネットワーキングを行っていく。過激主義と便宜上ここでは書いているが、かれらはそのように名指されることは当然不満であろう。 sayusha.com さまざまに示唆に富む本だったので、興味深かった点をいくつかメモしておく。 イデオロギーがぶつかっているのではない こうした過激思想の根幹をなしているのは、何よりもまず、「既得権益層(エスタブリッシュメント)」への根深い不信感である。エリートへの反感と不信がデフォルトになった社会において、ポピュリズムの支持者が抱えているのは私こそが弱者であり、自分たちは「代表されていない」と