旧ジャニーズ事務所元代表者による人権侵害行為を契機に、民放onlineは「人権」をあらためて考えるシリーズを展開中です。憲法学、差別表現、映画界における対応、ビジネス上の課題などをこれまでに取り上げてきました。5回目は視点を少し変え、作家の鈴木凉美さんにご自身のキャバクラ店勤務やAV女優などの経験も交え、ともすれば「搾取される側」と一面的に括られがちな性産業従事者たちの意識にも寄り添いながら、「人権」という概念が持つグラデーションと「表現すること」を考えていただきました。(編集広報部) 日舞もバレエも十歳になる前にとっとと挫折した私は厳しい折檻や体型の制限などとは無縁だったが、それでも一観客としてそこにある伝統的な形式美を愛でるとき、一度だけ足を入れたトウシューズのあの硬さを思い出して、美しさの代償について考える。もちろん私の記憶の中で、バレエのお稽古に通っている友人たちの多くがトウシュー