今般パレスティナで繰り広げられている無残な虐殺と、今後起こりうる一層巨大な惨劇に、胸のつぶれる思いをしているのは私ばかりではあるまい。もちろん、このような大事件について、その背景を含む詳細を今の段階で知り得ることはごく限定されているということは当然のこととして、だからと言ってすべてに判断を留保するようなことは、国際社会の一市民という立場からさえ無責任であろう。自分が判断を誤る可能性は十分認めたうえで、言いうることは断固言わねばならないのだ。 取りあえず断言せねばならないのは、ハマスによる重大な戦争犯罪があったからと言って、イスラエルによる大量無差別殺戮が許されるわけではないということだ。たとえイスラエルによる「自衛のための軍事行動」が許されるとしても、それらは戦時国際法の制約のもとに行われなければならないのは自明のこと。我々は、この件について語る「情報通」の話につられるあまり、国際法の規範