知って上達! アレルギー 【第12回】 蕁麻疹 森本佳和(医療法人和光会アレルギー診療部) (前回からつづく) 今回は,よく出合う疾患の1つ,蕁麻疹です。まず,蕁麻疹の膨疹を理解しましょう。蚊に刺されたあとのプックリというとイメージしやすいです。特徴は,薄紅色でわずかにふくらみがあり,押すと色が退色し,かゆみを伴います。また,1つの膨疹に注目すると,24時間以内(ほとんどは数時間以内)で消えることもポイントです。 対して,押しても色が抜けない,一度出た皮疹1つをみると何日にもわたってそこに存在する,といった場合は,他の疾患,例えば単純性痒疹といったものから,血管炎,皮膚リンパ腫なども含めた鑑別が必要になります。 急性はアレルギー反応,慢性は原因不明が多い さて,この蕁麻疹ですが,発症してから1か月以内のものを急性蕁麻疹,1か月以上のものを慢性蕁麻疹と分けます1)。「そうすると,1か月に3日