並び順

ブックマーク数

期間指定

  • から
  • まで

1 - 2 件 / 2件

新着順 人気順

ラムプの検索結果1 - 2 件 / 2件

  • 『春と修羅』末尾の作品

    賢治が生前唯一刊行した詩集『春と修羅』の冒頭の作品は、ご存じのように「屈折率」です。 屈折率 七つ森のこつちのひとつが 水の中よりもつと明るく そしてたいへん巨きいのに わたくしはでこぼこ凍つたみちをふみ このでこぼこの雪をふみ 向ふの縮れた亜鉛(あえん)の雲へ 陰気な郵便脚夫(きやくふ)のやうに (またアラツディン、洋燈(ラムプ)とり) 急がなければならないのか 題名の「屈折率」という言葉は、直接的には、「七つ森」の手前の一つが不思議に明るく大きく見えていることを、光の屈折のせいだろうかと作者が空想していることから来ているのでしょうが、恩田逸夫氏は、「自己の人生の進路が常人と異なっていて、平坦でなく屈折したものであるという意味をも含めている」と評していて、確かにそのような雰囲気も漂います。 また、「郵便脚夫」について恩田氏は、「人々に幸福を配達する者という意味を含めているのであろう。それ

      『春と修羅』末尾の作品
    • 宮沢賢治『水仙月の四日』あらすじと解説【自然の残虐さと愛情!】

      はじめに【『遠野物語103』雪女のはなし】 柳田国男の『遠野物語』に雪女のはなしがあります。 小正月の夜、または小正月ではなくとも冬の満月の夜は、雪女が出てきて遊ぶという。子どもをたくさん引き連れてくるという。里の子どもは冬は近辺の丘に行き、そり遊びをして面白さのあまり夜になることがあり。 十五日の夜に限っては、雪女が出るから早く帰れと戒(いまし)められるのはいつものことである。しかし雪女を見たという者は少ない。 (『遠野物語103』柳田国男) 今回ご紹介するのは、宮沢賢治の童話『水仙月の四日』です。この物語には雪女ならぬ「雪婆んご」が登場します。『遠野物語』の舞台、岩手県遠野市と、宮沢賢治の生まれ育った花巻市との距離は約50キロメートルです。もしかしたら賢治も雪女の話を聞いて育ったのでしょうか? 宮沢賢治『水仙月の四日』あらすじと解説【自然の残虐さと愛情!】 宮沢賢治(みやざわけんじ)と

      1