昨秋、私は会社から4日間の休みを得て奈良県の三輪山に登拝しました。三島由紀夫の文学を愛する私は、彼の作品に登場する場所を巡る旅を続けています。特に『豊饒の海』全4巻のうち、第2巻『奔馬』に描かれた三輪山の場面が心に残っており、その神秘的な場所を実際に体験したいと考えました。この旅の記録は、過去に書いた記事をリメイクしたものです。 狭井神社からの登山 狭井神社の社務所で手続きを終え、頂上の奥津磐座までの登山を始めました。登山道は整備されておらず、原生林の中を進む道は足元が不安定で、歩きにくい部分が多くあります。鬱蒼とした木々に囲まれ、木漏れ日の少ない薄暗い道を歩く中、普段は鮮魚部で働く私も息切れがし、肺が苦しくなりました。しかし、狭い道で立ち止まるのは迷惑になるため、何とか頂上を目指しました。 登山中、裸足で歩く多くの女性と出会いました。最初は不幸な人々の神頼みかと考えましたが、行き交う多く