JR/京浜急行品川駅の高輪口を出ると、国道15号、いわゆる第一京浜が広がっている。信号を渡り、かつて京浜ホテルが建っていた道を左に進むと、老舗洋食レストラン・つばめグリルの手前に、小さな神社がある。この高山稲荷神社は昭和6(1931)年の造営で、「高山」という名前通り、もともとは現在地よりも奥の台地側に所在したという。しかし第一京浜の拡張に伴い、道路沿いのこの場所に移されたという。高輪の地はいわゆるお屋敷町であったことから、造営の寄付者の名前には、毛利家・森村家・岩崎家などの名家が連なっている。 おしゃもじさまとは 高山稲荷神社の鳥居をくぐった左手に、「おしゃもじさま」という、ごはんをよそう、木または竹製の、或いはプラスチック製のしゃもじか、ゴムべらに似たものが浮き彫りになった、高さ55cm、幅26cmの小さな石碑を祀った祠がある。 これは一説には、キリシタンがつくった石灯籠で、1623(