『フミコの告白』という作品を観たことがあるだろうか。告白して玉砕した少女が、疾走感のある描写でとにかく走りまくる約2分のアニメである。思わず目を奪われるその映像は、京都精華大学の学生による自主制作作品だった。発表されるや否や、様々なメディアが注目。監督の石田祐康さんは、瞬く間に時の人となる。 石田監督はその後、アニメ業界入りを果たして2013年に『陽なたのアオシグレ』で商業監督デビュー。スタジオコロリドに所属し、様々な監督作品を世に生み出していった。 2014年にフジテレビ・ノイタミナの10周年を祝して制作された『ポレットのイス』や、2018年公開の森見登美彦さん原作による初の長編監督作品『ペンギン・ハイウェイ』。そして、2022年9月16日。待望の最新作『雨を告げる漂流団地』が公開およびNetflixで配信された。 夏休みのある日、小学6年生の熊谷航祐(こうすけ)は、クラスメートとともに