「中村さん、俺たち行かなくてはいけないところができました」陸が中村拓也に話しかけた。 「うん、聞いていたよ。」 「中村さんはどうしますか?。」 「私は、避難所や病院、警察などを回ってみようと思う。私と同じように生き残った人が必ずいるはずだから」 「体の方はもう大丈夫ですか?」 「うん、かなり回復してきたから、自分一人で動ける。もう大丈夫だよ。 恵美のことも、ちゃんとしてあげたいしね。」中村拓也は愛する彼女が横たわる方向に目を移しながら言った。 「そうですね・・・。」 「そうだ、これを持って行ってほしい。」中村拓也は無線機を陸に渡した。 「これは?。」陸が訊く。 「ちょっと改造したトランシーバーだ。高周波帯で使えるものだよ。僕も持っておくから、これで連絡を取り合うことができる。」 「わかりました。ありがとうございます。」陸は中村拓也にお礼を言ってトランシーバーを受け取った。 「高周波を使うに