【 エッセイ 】 私は、精神科病院の理事長、兼院長である。 最近になって、厚生労働省のお役人さん方のお考えがお変わりになって、精神科病院では地域移行とやらで、長期在院患者の退院を促進するようにと指導されるようになった。私に言わせれば、今さら、そんなの遅れているよ、である。 私の病院では、1982年当時、病床数260床のところ、300人余りの患者を入院させていた。だが、それをお役人さん方は容認、むしろ、増床をすすめておられた時代であった。でも、へそ曲がりな私は、当時から患者をどんどん退院させて、一時は190人まで減らしてしまった。現在では、そこまで減らし続けると経営的に成り立たないので、今は病床数229床で、日々の入院患者は220人前後で病院を運営している。ただ、時機をみて200床以下には落とそうかと思案中である。つまり、ず~っとスモール・イズ・ビューテフルの精神を貫き通してきた。 だから、