2021年03月31日 古賀稔彦追悼『超二流と呼ばれた柔道家』を全文掲載。 ロンドン五輪のときに「ゴング格闘技」誌に発表した『超二流と呼ばれた柔道家』という短編があります。古賀稔彦を追って、最後に背負い投げで古賀を投げる堀越英範を書いた作品ですが、じつはこの作品を出したとき、中学の友人(柔道未経験者)から電話をもらいました。 「あれ読んで思ったのは、堀越がすごいというよりも『テレビでよく見ていた古賀ってこんなに強かったんだ』っていうことなんだ。どんだけ強かったんだよって思って震えがきた」 という言葉でした。 彼は柔道を見るのはせいぜい五輪くらいで、だからこそ、勝ち抜いてテレビに出ている古賀しか知らず、そのライバルたちが文字通り命がけで彼に挑んでいることなど知りませんでした。古賀は五輪うんぬんの前に、あらゆる予選でずっと勝ち続けていたのです。怪物でした。 『超二流と呼ばれた柔道家』という作品