塚本泰史と早川史哉は凄まじい闘病生活とリハビリを経験した偉大なサッカー選手である。大宮アルディージャの塚本はプロ入り3年目の2010年2月に右大腿骨骨肉腫を発症。プロ選手としてピッチに復帰することはできなかったが、現在は大宮のクラブアンバサダーとして活動している。アルビレックス新潟の早川史哉はプロ入り1年目の2016年5月に白血病と診断され、2019年10月5日の鹿児島戦で約3年半ぶりにピッチに復帰した。 生きるか死ぬかの経験をしてきた2人が、今どのようにしてサッカーと向き合っているのか。2人とも対談中に何度も涙で言葉を詰まらせた。嗚咽をこらえながら振り絞るようにして語ってくれた一つひとつの重みある言葉は、サッカーの価値をあらためて証明するとともに、サッカーに関わる意味を教えてくれた。 病室での出会い ――2人が初めて会ったのはいつでしょうか? 塚本「2017年にお互いのクラブスタッフを通