建築家で東京大学特別名誉教授の安藤忠雄氏はまぎれもない国際人だが、英語の早期教育については必ずしも前向きというわけではない。「まずは日本語をきちんと学べ」と説く。 * * * メディアでは、日本人建築家が海外で高い評価を受けているという報道を耳にする。そういった実感は特にないが、私の事務所では仕事の90%以上が海外の案件になっていることは事実だ。これまで手がけた海外プロジェクトは、アメリカやフランス、スペイン、中国、韓国、インドネシアなど40か所に及ぶ。 外国で仕事をする、あるいはコンペに参加するには「強いチーム」が必要だ。我々は設計をするが、他にも構造設計や施工をする人などがいて、さまざまな役割の人たちと一緒にチームを作る。もちろん、日本人だけではなく、現地の会社や人とも組む。 この時にお互いが自らの意見をぶつけて徹底的に議論することで、心の交流と信頼が生まれ、強いチームができる。いいチ