物価上昇(インフレ)に賃上げが追いつかず、実質賃金の減少が続く日本経済。「資本主義の終焉(しゅうえん)と歴史の危機」などの著書がある経済学者の水野和夫さん(71)は、企業が資金をため込んで「労働者が正当な対価を受け取っていない」ことに原因があると指摘する。日本再生の鍵は「税制にあり」。水野さんに縦横に語ってもらった。 大転換期を迎えるヒトとモノの「価格」の今をリポートする<¥サバイバル 令和の「値段」>。私たちはどんな未来を描けば良いのか。識者3人に聞きます。(全3回) 止まらぬインフレと働き手不足 日本を待ち受ける生活維持機能の低下 橘玲さんが語る デフレ終結の後に「やさしくない社会」が来る(3月31日午前6時掲載) 「狂った世界に出てきた狂ったトランプ氏」 ――日本は、米国主導の国際秩序に大きな影響を受けてきました。 ◆まず、米国が世界の秩序を保つ役割を降りたという事実があります。20