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  • この25年で生産性は3割上昇したのに実質賃金はまさかの据え置き、日本人が貧しくなった本当の理由 【前編】エコノミスト・河野龍太郎氏が語る「日本は収奪的国家に陥った」「連合は累計3割のベアを求めてもいい」 | JBpress (ジェイビープレス)

    物価高に賃金上昇が追いつかず家計は火の車で、消費は低迷。円安の下で海外観光客が大量に押し寄せる一方、日本人は海外旅行を控え、パスポートの取得率は過去最低。なぜこんなことになったのか。『日本経済の死角―収奪的システムを解き明かす』(ちくま新書)を上梓したBNPパリバ証券のチーフエコノミスト・河野龍太郎氏に話を聞いた。(聞き手:大崎明子、ジャーナリスト) 生産性が上昇したのに賃金が上がらなかった先進国は日本だけ ──日本は「収奪的な社会である」とはショッキングなタイトルです。しかも、民主国家でありながら、選択を誤ってきた結果で、深刻だと思いました。 河野龍太郎氏(以下、河野):『成長の臨界』(慶應義塾出版会)で、「儲かっても溜め込んで実質賃金を引き上げず、国内の人的投資に消極的な大企業が長期停滞の元凶ではないか」と書きました。今回は、その日本の長期停滞の構造にフォーカスしました。 「日本はイノ

      この25年で生産性は3割上昇したのに実質賃金はまさかの据え置き、日本人が貧しくなった本当の理由 【前編】エコノミスト・河野龍太郎氏が語る「日本は収奪的国家に陥った」「連合は累計3割のベアを求めてもいい」 | JBpress (ジェイビープレス)
    • 生産性上昇の分だけ実質賃金を上げる、下流中間層へのセーフティネットを拡充する、それが成長を回復する近道 【後編】エコノミスト・河野龍太郎氏が語る、変えるべきは社会に蔓延している「実質ゼロベア・ノルム(規範)」 | JBpress (ジェイビープレス)

      物価高に賃金上昇が追いつかず家計は火の車で、消費は低迷。円安の下で海外観光客が大量に押し寄せる一方、日本人は海外旅行を控え、パスポートの取得率は過去最低。なぜこんなことになったのか。『日本経済の死角―収奪的システムを解き明かす』(ちくま新書)を上梓したBNPパリバ証券のチーフエコノミスト・河野龍太郎氏に話を聞いた。(聞き手:大崎明子、ジャーナリスト) 【前編】この25年で生産性は3割上昇したのに実質賃金はまさかの据え置き、日本人が貧しくなった本当の理由 ──コーポレートガバナンス改革により、従業員よりも株主が重視されるようになったことも問題だと指摘しています。 河野:米英では1970年代から、企業は株主の利益を最大化すべきだという考え方が広がっていたわけですが、最近は、従業員や地域社会など全てのステークホルダーに分配すべきだという方向へ揺り戻しが起きています。 ところが、日本は、かつては株

        生産性上昇の分だけ実質賃金を上げる、下流中間層へのセーフティネットを拡充する、それが成長を回復する近道 【後編】エコノミスト・河野龍太郎氏が語る、変えるべきは社会に蔓延している「実質ゼロベア・ノルム(規範)」 | JBpress (ジェイビープレス)
      • この25年で生産性は3割上昇したのに実質賃金はまさかの据え置き、日本人が貧しくなった本当の理由(JBpress) - Yahoo!ニュース

        物価高に賃金上昇が追いつかず家計は火の車で、消費は低迷。円安の下で海外観光客が大量に押し寄せる一方、日本人は海外旅行を控え、パスポートの取得率は過去最低。なぜこんなことになったのか。『日本経済の死角―収奪的システムを解き明かす』(ちくま新書)を上梓したBNPパリバ証券のチーフエコノミスト・河野龍太郎氏に話を聞いた。(聞き手:大崎明子、ジャーナリスト) 【著者作成の衝撃的なグラフ】「日本はイノベーションが足りないから、生産性が上がらない」と言われてきたが、過去25年における日本の労働生産性はこの通り、米国に次ぐ伸び。 ■ 生産性が上昇したのに賃金が上がらなかった先進国は日本だけ ──日本は「収奪的な社会である」とはショッキングなタイトルです。しかも、民主国家でありながら、選択を誤ってきた結果で、深刻だと思いました。 河野龍太郎氏(以下、河野):『成長の臨界』(慶應義塾出版会)で、「儲かっても

          この25年で生産性は3割上昇したのに実質賃金はまさかの据え置き、日本人が貧しくなった本当の理由(JBpress) - Yahoo!ニュース
        • この25年で生産性は3割上昇したのに実質賃金はまさかの据え置き、日本人が貧しくなった本当の理由 【前編】エコノミスト・河野龍太郎氏が語る「日本は収奪的国家に陥った」「連合は累計3割のベアを求めてもいい」 | JBpress (ジェイビープレス)

          インバウンドブームは日本人労働力の叩き売り ──日本人の賃金を上げずに、海外にばかりにお金を回したことで、円安が進み、ますます日本人は貧しくなっている。皮肉な悪循環です。 河野:だから、財界や政治家は今のインバウンドブームを喜んでいてはいけません。 日本ほど生産性が上がっていないのに、欧州の人々の実質賃金は上がってきました。そして、日本に来たら、彼らの感覚でいうと25年前に戻ったようなモノもサービスも何もかも安い世界。だからこれほど多くの人が、日本に押し寄せるわけで、私たちの労働を安く叩き売っていることに他なりません。 ──日本人のパスポートの取得率は過去最低。今の若者は海外に遊びに行きたくても行けない。情けない限りですね。 (後編「生産性上昇の分だけ実質賃金を上げる、下流中間層へのセーフティネットを拡充する、それが成長を回復する近道」に続く) 河野龍太郎(こうの・りゅうたろう) 1964

            この25年で生産性は3割上昇したのに実質賃金はまさかの据え置き、日本人が貧しくなった本当の理由 【前編】エコノミスト・河野龍太郎氏が語る「日本は収奪的国家に陥った」「連合は累計3割のベアを求めてもいい」 | JBpress (ジェイビープレス)
          • この25年で生産性は3割上昇したのに実質賃金はまさかの据え置き、日本人が貧しくなった本当の理由 【前編】エコノミスト・河野龍太郎氏が語る「日本は収奪的国家に陥った」「連合は累計3割のベアを求めてもいい」 | JBpress (ジェイビープレス)

            連合が求める賃上げで生産性上昇分は取り戻せるか? 河野:「実質賃金が上がらないから、国内消費が増えない、だから日本は成長しない」という悪循環がずっと続いてきて、ここへきてインフレになり、ますます実質消費は低迷しています(図3)。 連合が要求しているのは5~6%の賃上げです。このうち年功に伴う定期昇給分が2%弱ありますから、実態は3~4%のベースアップ(以下ベア)にすぎません。本来なら、今までの3割の生産性上昇分も取り戻してもいい。 一方、米国の大企業では、近年のインフレに対応し、労働組合が今後の5年間では累計40%もの賃上げを獲得するところもあります。雇用維持を重視するのは分かりますが、日本の労働組合は要求があまりに控え目です。 ──1990年代の終わりに、バブル崩壊から金融システム危機に発展し、大企業や銀行が破綻したのを見て、企業経営者たちは自己資本の蓄積に邁進しました。 河野:メインバ

              この25年で生産性は3割上昇したのに実質賃金はまさかの据え置き、日本人が貧しくなった本当の理由 【前編】エコノミスト・河野龍太郎氏が語る「日本は収奪的国家に陥った」「連合は累計3割のベアを求めてもいい」 | JBpress (ジェイビープレス)
            • 生産性上昇の分だけ実質賃金を上げる、下流中間層へのセーフティネットを拡充する、それが成長を回復する近道 【後編】エコノミスト・河野龍太郎氏が語る、変えるべきは社会に蔓延している「実質ゼロベア・ノルム(規範)」 | JBpress (ジェイビープレス)

              なぜイノベーションの本質は収奪的なのか? 河野:歴史的に見るとイノベーションの恩恵が直ちに多くの人に広がるわけではありません。18世紀後半に起きた産業革命も、最初の100年は資本家と起業家に恩恵が集中してしまいました。むしろ、多くの人の実質賃金は19世紀後半になるまで低下していたのです。 1990年代後半以降のITデジタル革命でも、アイデアの出し手などトップ1%の高所得者に富が集中する結果となりましたし、グローバリゼーションと相まって製造現場のオフショアリングが進み、中間的な賃金の仕事が失われ、低所得者層が増えてしまいました。 アセモグルとサイモン・ジョンソンの『技術革新と不平等の1000年史』では、イノベーションには包摂型と収奪型があると説明しています。多くのイノベーションは自動化をもたらし、むしろ、労働需要を減らし、賃金を押し下げる収奪型になってしまう。 社会がこれをうまく飼い慣らして

                生産性上昇の分だけ実質賃金を上げる、下流中間層へのセーフティネットを拡充する、それが成長を回復する近道 【後編】エコノミスト・河野龍太郎氏が語る、変えるべきは社会に蔓延している「実質ゼロベア・ノルム(規範)」 | JBpress (ジェイビープレス)
              • 生産性上昇の分だけ実質賃金を上げる、下流中間層へのセーフティネットを拡充する、それが成長を回復する近道 【後編】エコノミスト・河野龍太郎氏が語る、変えるべきは社会に蔓延している「実質ゼロベア・ノルム(規範)」 | JBpress (ジェイビープレス)

                問題の本質は「実質ゼロベア」が社会の規範になったこと 河野:もちろん、コーポレートガバナンス改革の影響で、株式報酬制度が導入され、大企業経営者も少なからぬメリットを受けています。 利益が上がって企業の株価が上昇し、配当金が増えても、日本の家計は株式を保有していないので、恩恵を受けていません。遅ればせながら、新NISAの導入で日本の家計も株式投資を増やしつつありますが、これは「補助輪」というべきものでしょう。 本筋は、国内で生産性の上昇に見合った賃上げを行なって消費を増やし、内需中心の経済成長を図るべきだった。 ──非正規社員の多い就職氷河期の世代は、住宅が買えていないとの指摘もあり、収入の少ない若者は株式投資をする余裕もありませんね。 河野:日本の若者は車もあまり買わなくなり、安い軽自動車しか売れない。それを「草食系」であるとか文化が変わったように言ってきた。 もちろん、物質的な豊かさだけ

                  生産性上昇の分だけ実質賃金を上げる、下流中間層へのセーフティネットを拡充する、それが成長を回復する近道 【後編】エコノミスト・河野龍太郎氏が語る、変えるべきは社会に蔓延している「実質ゼロベア・ノルム(規範)」 | JBpress (ジェイビープレス)
                • 『この25年で生産性は3割上昇したのに実質賃金はまさかの据え置き、日本人が貧しくなった本当の理由 【前編】エコノミスト・河野龍太郎氏が語る「日本は収奪的国家に陥った」「連合は累計3割のベアを求めてもいい」 | JBpress (ジェイビープレス)』へのコメント

                  米国もここ30年間、株主還元と比較し労働者の昇給はその10%に満たず、実際に生活が苦しいと感じている人が増えている、という話を聞いた。事実なら富裕層が自制しないと動乱をも引き起こす事態になりえる。

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                  • この25年で生産性は3割上昇したのに実質賃金はまさかの据え置き、日本人が貧しくなった本当の理由 【前編】エコノミスト・河野龍太郎氏が語る「日本は収奪的国家に陥った」「連合は累計3割のベアを求めてもいい」 | JBpress (ジェイビープレス)

                    エリートが実質賃金の低迷を問題視しなかった理由 ──エコノミストを含め、多くのエリートたちや労働組合は実質賃金が上昇していないことをあまり問題視しませんでした。なぜでしょうか。 河野:なぜ、この問題に多くの人が気づかないのかといえば、日本的な長期雇用制度の枠内にいるエリートたちは、年齢が上がると賃金も少しずつ上がる定期昇給があるからです。属人ベースで見れば、25年も経てば新入社員の頃よりも賃金は1.6~1.7倍に増えているので気づかないのでしょう。 でも、実質ゼロベアなので、企業全体で見れば、給与の高い高齢者が退職で毎年抜けていき、新入社員と入れ替わるので、人件費はちっとも増えません。それどころか、コストカットで定昇も抑えられ、賃金カーブ全体が25年前よりも、下方にシフトしているので、今の部長や課長の実質賃金は25年前の部長や課長よりも低いのが実態です。 さらに、長期雇用制度の枠外にいる非

                      この25年で生産性は3割上昇したのに実質賃金はまさかの据え置き、日本人が貧しくなった本当の理由 【前編】エコノミスト・河野龍太郎氏が語る「日本は収奪的国家に陥った」「連合は累計3割のベアを求めてもいい」 | JBpress (ジェイビープレス)
                    • この25年で生産性は3割上昇したのに実質賃金はまさかの据え置き、日本人が貧しくなった本当の理由 【前編】エコノミスト・河野龍太郎氏が語る「日本は収奪的国家に陥った」「連合は累計3割のベアを求めてもいい」 | JBpress (ジェイビープレス)

                      「日本は超円安に苦しめられる構造に移行した」 ──そうすると、我々から収奪された超過利潤はどこに行ったのかといえば、海外に向かったということでしょうか。利益剰余金の問題を指摘すると、大企業経営者は「企業のバランスシート上は、利益剰余金分の現預金があるわけではない。資産側では投資に使われている」と説明します。 河野:はい。一部は、海外への直接投資や有価証券投資に向かっており、国内投資は増えませんでした(図5)。 海外のM&Aではたびたび巨額の損失を出していますし、アジアなどの海外に持ち込んでいるのは、平成の前半に日本で通用した古いビジネスモデルであって、さほど成長力の高いものではないという指摘もできます。 製造現場を国内に持たないことで、創意工夫の機会が得られず、イノベーションも阻害されましたし、国内で人的投資を怠る結果につながりました。 ──輸出で稼いで貿易黒字を溜め込んでいた頃は、利益を

                        この25年で生産性は3割上昇したのに実質賃金はまさかの据え置き、日本人が貧しくなった本当の理由 【前編】エコノミスト・河野龍太郎氏が語る「日本は収奪的国家に陥った」「連合は累計3割のベアを求めてもいい」 | JBpress (ジェイビープレス)
                      • 生産性上昇の分だけ実質賃金を上げる、下流中間層へのセーフティネットを拡充する、それが成長を回復する近道 【後編】エコノミスト・河野龍太郎氏が語る、変えるべきは社会に蔓延している「実質ゼロベア・ノルム(規範)」 | JBpress (ジェイビープレス)

                        金利を上げたほうが家計にはメリットが大きい ──日本の労働組合も要求が低すぎます。会社が潰れたら元も子もないと。そんな状態ではないのに、みんなで低賃金を甘受する体質が染み付いています。 河野:この先も、同じことが懸念されます。2025年春闘は何とかうまくいっても、先行きはトランプ関税の企業への影響が心配されるからと、よくてベアの要求はインフレ水準止まりになりかねない。だとすると実質ゼロベア・ノルムは変わらない。 ──金融緩和でインフレを醸成しようとするよりも、日銀は金利を着実に上げて少しでも円安進行に歯止めをかけた方がいいのではないでしょうか。 河野:完全雇用に近い状況の中で緩和環境を維持したことで、円安インフレを助長したので、コロナ禍の下で積み上がった強制貯蓄は、使う前に消失してしまいました。さらに、円安によるインバウンド消費で外食や宿泊の価格が上昇するなど、日本国民の個人消費をクラウド

                          生産性上昇の分だけ実質賃金を上げる、下流中間層へのセーフティネットを拡充する、それが成長を回復する近道 【後編】エコノミスト・河野龍太郎氏が語る、変えるべきは社会に蔓延している「実質ゼロベア・ノルム(規範)」 | JBpress (ジェイビープレス)
                        • 三村財務官、円安は懸案事項の一つ-実質賃金の上昇実現に悪影響

                          三村淳財務官は3日、物価上昇を上回る賃金上昇を実現する上で円安がマイナスの影響を及ぼす可能性があるため、為替動向を注視する必要があるとの見解を示した。都内で開催されたイベントで英語で講演した。 三村財務官は、円安の影響で輸入物価が上昇していることに言及。その上で、実質賃金の上昇実現という観点において、「為替は間違いなく何らかの悪影響を及ぼす。注意すべき点の一つは為替レートの問題だ」と語った。政府は賃上げ促進策に数多く取り組んでおり、今後も努力を続けるとも語った。 他の発言国債市場、より海外勢への依存度が高まる公算大きい-日銀買い入れ減額で金利の上昇、追加的に利払い費が増えるという点では「ネガティブ」日本の債務残高はGDPの200%を超えている米国のマクロ経済政策の不確実性や中国経済の構造問題など課題は多い

                            三村財務官、円安は懸案事項の一つ-実質賃金の上昇実現に悪影響
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