ウクライナにおける戦下の日常を「虫の目」からつぶさに描くことで、侵略行為を別の側面から浮き彫りにする(Marko Subotin / Shutterstock) ロシア・ウクライナ戦争の開戦から間もなく、『ウクライナ・ダイアリー 不屈の民の記録』の著者・古川英治氏は、ウクライナ人の妻やその家族とともにキーウに留まる決意をした。ジャーナリストとして、そして戦争当事者として戦下の日常を描いた本書は、国際政治の舞台で忘れられがちな「虫の目」から侵略の輪郭に迫って行く。 迷いながらも取材を進める著者を友人として見つめてきた経済コラムニスト・YouTuberの高井宏章氏が、『ウクライナ・ダイアリー』から浮かび上がる、「ネーション」として目覚めて行くウクライナの人々の姿を伝える。 *** ロシアがウクライナに侵攻してから、2回目の冬が近づいている。膠着気味とはいえ、ウクライナは頑強な抵抗を続けている。