※『世界』2025年1月号収録の記事を特別公開します。 ガザ、「ヒューマニティ」の実験場としての 二〇二三年一〇月七日のハマース主導による奇襲攻撃を端に、報復として始まったイスラエル軍によるガザ攻撃を、ホロコーストとジェノサイド研究の専門家が「教科書に載せるような典型的ジェノサイド」と断じたのは、攻撃開始から一週間とたたない一〇月一三日のことだ。一一月二日、国際人権NGO、ユーロメッド人権モニターの発表によれば、一カ月足らずでガザに加えられた攻撃は火薬の量に換算して、広島型原爆二個分に相当する。死者は一カ月で一万人を超えた。その四割が一四歳以下の子どもだ。 その攻撃が日々、死傷者の数を更新させながら、四〇〇日が過ぎてなお続く。合衆国の度重なる兵器の追加援助に支えられて。二〇二四年一一月二一日、即時の無条件かつ恒久停戦と人質の解放を求める安保理決議案は、理事国一五カ国のうち一四カ国が賛成する