日本ネットワークサービス(NNS)気象情報室長 保坂 悟 1.はじめに この夏も、ちょっとおかしな夏だった。梅雨が再来したかのような天候が、暑い盛りの8月のお盆の頃に現れ、急きょ盛夏が冷夏に様変わり。まさかの長雨が、農作物が成長する大事な時期の農家を直撃した。6月から9月上旬までの旬別の最高気温、日照時間、降水量を、甲府を例にグラフにしてみた。 甲府地方気象台データより作成 ご覧のように、7月上旬、8月中旬、9月上旬が平年から大きく凹んでいるのが分かる。8月中旬の凹みは、梅雨最盛期の7月上旬に匹敵する急変ぶりで、「梅雨もどきのお盆」だったことがよく分かる。9月上旬も、カレンダーの月めくりをした途端の急変。どうにも天気が荒々しい。 冒頭の「この夏も」の「も」は、昨年に続いての夏の異変を意味している。昨年は梅雨の異変と8月の暑さの異変が背中合わせだった。台風が来たわけでもないのに、県内の梅雨期