(記事中リンクには広告が含まれています) 1.悪逆(黒川博行) ちょうどこの本を読んでいる時に、作品が第58回吉川英治文学賞を受賞したというニュースが流れました(2024年3月5日)。 吉川英治文学賞は、大衆小説を対象とした権威ある賞で、過去の受賞者には、松本清張、司馬遼太郎、池波正太郎、宮部みゆき、浅田次郎等々すごい顔ぶれが並んでいます。 さて、本の内容ですが、 周到な準備と計画によって強盗殺人を遂行していく男――。大阪府警捜査一課の舘野と箕面北署のベテラン刑事・玉川が、広告代理店の元経営者殺害事件を追うなか、さらに被害者と面識のある男が殺される。二人はそれぞれ「士業詐欺」と「マルチ商法」によって莫大な金を荒稼ぎした悪党で、情報屋の標的になっていた。警察は犯行手口の違いから同一犯による可能性はないと判断するが、いずれも初動捜査で手詰まりとなる。犯人像を?むことができないまま、さらには戦時