日本人のHDLコレステロール(HDL-C)値は国際的に高値を示すことが知られるが、明確な理由はよく分かっていない。中部大学応用生物学部客員教授の横山信治氏は、国民健康・栄養調査(NHNS)などのデータを解析した結果、日本人のHDL-C値は1980年代から一貫して上昇していることが示されたと第56回日本動脈硬化学会(7月6~7日)で発表。肉類に対する魚介類の摂取比率の減少との関連が見られたことから、「ω-3脂肪酸の摂取とHDL-C値の上昇は正の関連があるといった従来の知見と矛盾しており、HDL-C値の上昇が臨床にどのような影響を及ぼすのか十分に観察すべきである」と指摘した(関連記事「 apoA-Ⅰ静注薬で「HDL仮説」証明ならず 」)。