第2節 家計の消費行動の変化 本節では家計の消費・貯蓄サイドに焦点を当てて分析する。まず、前節同様に、SNAでみたマクロの消費動向と家計調査等でみた世帯属性別の消費動向について長期的な変化を概観する。次に、①高齢世帯、②共働き世帯、③若年世帯の3つの世帯属性別に、消費動向の構造的な変化やその特徴について分析を行う。最後に、こうした分析結果から示唆される今後の持続的な消費回復に向けた課題について考察する。 1 マクロ・世帯属性からみた消費・貯蓄動向 (少子高齢化による影響もあり、貯蓄率は減少傾向) 前節同様、マクロの観点からSNAベースの家計部門における消費と貯蓄率の動向を確認していく。まず、1980年以降の消費動向をみると(第2-2-1図(1))、名目・実質ともに、90年代前半までは高い伸びで推移し、1980~90年までの平均成長率は名目で6%、実質で4%程度の伸びで増加した。1990年代