伝統的な数学のゼミは,河東先生のホームページ How to prepare for seminars に書いてあるような「予習してきた人が参加者全員の前で発表する」という方式を取る*1.このやり方は少なくとも数学専攻の学生向けが自分の専門としたい領域を学習する方法として最適であろうと言われているし,私自身もそう思っている. 一方で,この方法は予習の負担が明らかに大きい.そのため,そもそも予習時間が確保できない人々が集まってゼミをする場合,たとえば,自分の専攻の研究や仕事の傍らに専門以外の内容のゼミをする場合などは別の進め方をしなければならない. この記事は予習時間が確保できない人々が集まってゼミをする場合の進め方を紹介するものである.このやり方で一冊本を読み切った上で,全く証明の書けなかった知人がある程度証明が書けるまで成長しているのを目の当たりにしているので,そこまで的外れなやり方ではな