東京都では、「東京都カスタマーハラスメント防止条例」(仮称)(カスハラ防止条例)の制定へ向けた検討が進んでいます。成立すれば全国初となり、同様の条例制定の動きは他の地方公共団体にも波及する可能性があることから、非常に高い注目を集めています。 カスハラ防止条例は、厚生労働省の「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」の内容を概ね踏襲する可能性が高く、そうであれば、厚労省マニュアルについて既に対応を済ませている事業者については、条例が制定されたとしても、特別追加で大きな対応が求められるものではないと思われます。他方で、特に、これまで厚労省マニュアルを意識していなかった事業者については、今後、カスハラ防止条例への対応を無視できなくなるものと考えます。 本稿では、カスハラに対する国・東京都の規制の動きを紹介したうえで、カスハラ防止条例の骨子および同条例が制定された場合に予想される事業者における実