インドで71杯のチャイを飲み歩き、京都で1000杯のチャイを売り歩いた私が“現代の魔法の鍋”で煮出す最高のチャイとは ホットクックのボタンを押し、我々はカフェインのもたらす奇妙な高揚感と共にチャイと人生について語り合っていた。アッサム茶葉と煮出された生姜、カシアシナモンとカルダモンの香気分子が勢いよく機械から噴き出している。ボタンを押せば毎回できたてで全く同じ味のチャイが飲めるようになったいま、人間ができるのは語り合うことだけ。とりとめのない会話はチャイとともにだんだん煮詰まっていく——。 現代において人々は調理画面に揺れる焚き火を見つめ語り合うのだ今回、シャープから未来型の調理器具である「ホットクック」を預かり、牛乳を活かした最高のチャイを作るチャレンジをすることになった。チャイは構成要素が少なく料理と呼ぶにはあまりに単純ではあるが、単純であるが故の奥深さがある。 私はカレー哲学者として