本稿は長く私のパソコン・ハードディスクに眠っていたものである。執筆者は私が尊敬する田辺在住だったI先生だと思う。 ある日、I先生は「まあ読んでくれ」といった調子で私に原稿を手渡された。面白かったので、私は和教組のアルバイト書記の方に「ワープロの練習のつもりで打ってよ」とお願いした。それがこの論考であろうかと思われる。 和歌山県勤務評定反対闘争小史 序章 勤評への布石 1、強まる国家統制 一九五三年一〇月二日、MSA協定をめぐる池田=ロバートソン会談議定書は「日本国民の防衛に対する責任感を増大させるために・・・・日本政府は教育および広報によって、日本に愛国心と自衛のための自発的精神が成長するような空気を助長することに第一の責任を負こととし、そのための議事録には、「アメリカの急速な再軍備のための要求にこたえるためには、日本は、以下四つの制約を克服しなければならない。即ち、①平和憲法をもってい