結核が再び世界で最も致死率の高い感染症として浮上したとWHO(世界保健機関)の2024年の報告が示した。2023年の結核による死者数は125万人に達し、COVID-19による死者数を上回ったのである。かつて結核は感染症による死亡原因としてCOVID-19に次ぐ位置に下がっていたが、パンデミック後の医療資源の再配分と診療体制の混乱が、再流行を助長しているとの見方もあるようだ。 WHOのテドロス・アダノム事務局長は、「結核は予防も治療も可能な病であるにもかかわらず、依然として多くの命を奪っている」として、対策強化の必要性を訴えている。しかし、先進国と途上国の医療格差が残る中で、限られた資金をいかに配分し、最も効果的な対策を実施するかは依然課題となっているだろう。そこにある奇妙な疑念のようなものがある。 BCGワクチンの非特異的効果 現状、結核予防の中心となっているのは、1921年から使用されて