稚児と稚児灌頂について調べ始めた時知った、『児灌頂の研究 犯と聖性』でいろいろ目からうろこだったので、感想のようなもの。 児灌頂の研究 犯と聖性 作者:辻 晶子 発売日: 2021/03/12 メディア: 単行本 稚児灌頂とは、天台宗で行われていた儀式で、稚児と呼ばれる少年を「稚児灌頂」という儀式を通じて聖別し(仏の化身とみなし)、灌頂を受けた稚児は、僧侶の性的行為の対象とするものだそうだ。 しかして現代では、pixiv百科事典を引用するが、「日本の坊主が性欲を慰めるため美少年の稚児と交わるいい逃れの為の儀式」といった認識が主流であり、そもそも稚児灌頂の儀式が本来持っていた聖性が見失われている。 この稚児灌頂の儀式を世に知らしめたのは、今東光氏の『稚児』という小説。 そのなかで引用された、『弘児聖教秘伝私』が儀式を伝えるキーとなるが、長らく秘本となっていたため、原典が解読されず、今東光氏の