気管支拡張症を有する65歳以上のメディケア受給者における肺MAC症患者にしぼっているところがlimitationかと思います。ただ、「肺MAC症の現在地」を知る上では非常に貴重な報告です。 ■肺MAC症は、気管支拡張症や肺気腫、嚢胞性線維症などの基礎疾患を有する患者に発症する慢性気道感染症である。慢性の咳嗽、疲労、寝汗、体重減少、抑うつなどの症状を伴い、再発や再燃を繰り返すことが特徴である。世界的に肺MAC症の有病率と発生率は増加傾向にあり、非罹患者と比較して死亡率が高いことが報告されている。肺MAC症の治療には通常、3-4種類の抗菌薬を1年以上使用する必要がある。しかし、薬物相互作用、副作用、有害事象、薬剤耐性の発現などにより、治療の中断や早期終了を余儀なくされることが多く、特に非ガイドライン治療(non-GBT)においては薬剤耐性のリスクが高まると考えられている。中でもマクロライド耐性