自閉症の困難を体験する方法の一つに、紙と垂直に置いた鏡を見ながら字を書くというものがあった。講座でこれを体験したのだが、この体験の趣旨は「自閉症児の中にはこのぐらい字を書くことが大変なんですよ」と知ることで、“苦手なことを無理強いすることのストレスを知る“というものだった。 未就学期の長男は鏡文字を書いていた。弱々しい筆圧で糸くずのようにニョロニョロとした字だった。鉛筆の運び方はぎこちなく、辛そうに字を書いていた。 今の長男は、綺麗ではないものの、ちゃんと読める字を書けるようになった。筆圧は整い、枠や罫線からはみ出さないように字の大きさも調整できるようになった。複雑な形の漢字も書けるようになった。 例によって「あくまで個人の感想です」となる我が家のケースを書く。 ■未就学期 : 鉛筆に苦手意識。字を書きたがらない 初めて字の練習をしたのは、未就学期の療育だった。クラスの他の子よりも筆の進み