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  • ぼくは光合成[第1回] 芽々ちゃんはたぶんラメ入り

    恋をするって、人間だったら普通のこと? 静岡県の県立高校を舞台に、不器用で、情けなくて、かけがえのない恋が動き出す。注目の若手詩人・水沢なおが紡ぐ、高校生たちの青春群像劇。 1 あ、なんかまぶしいね。 カーテンの隙間から土のにおいの風が吹いて、葉と葉がこすれるように目を細める、笑っているみたい、シャツから伸びる腕は重なり合うたび透き通って、ぼくはきみと、光と水を湛えて揺れていた頃を思い出す。 「緑じゃん」 カーテンに隠れていたモクがぼくを見て言う。 「葉緑体。ここから光合成するんだ」 傘をひらくように耳の後ろの毛束をつかむと、緑色のインナーカラーがぴょんと飛び出る。 「刈り取られるんじゃない、次の頭髪検査で」 モクは、かにのように指ではさみをつくって、ぼくの頭皮に広がる草原を切り落とす仕草をした。 「そうしたら、ぼく元気なくなっちゃう。わかる? 髪の毛が緑色だと、なんとなく元気でいられるん

      ぼくは光合成[第1回] 芽々ちゃんはたぶんラメ入り
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