− 1 − 原発産業のカネとヒト 中 野 洋 一 目次 はじめに 1 「原発マネー」と政治家・官僚の天下り 2 「原発マネー」と地方自治体 3 「原発マネー」とマスコミ 4 「原発マネー」と学者 ⑴ 安全規制ガバナンスの欠如 ⑵ 推進側と規制側の癒着構造 ⑶ 大学へ流れた「原発マネー」 ⑷ 各種委員(学者)へ流れた「原発マネー」 5 「原発マネー」と「原発事故責任」 おわりに はじめに この論文は、前回の論文「日本原発の『安全神話』の崩壊 原発産業の研究」 (中野洋一『原発依存と地球温暖化論の策略 経済学からの批判的考察』法律 文化社、2011年に所収)1 の続きである。その後に入手した新しい文献・資料を 基礎にしながら、原発産業のカネとヒトについてさらに深く明らかにする。特 に、「原発マネー」の流れを中心としながら、日本の原発産業の「利益共同体」、 すなわち、原発をめぐる政