第4回目は、ゲノム編集技術に関する行政上の取扱いを掘り下げて解説します。なお、概要については、記事の最後に3つのポイントとしてまとめています。 疑問4 なぜ、安全性審査がないのですか? 消費者団体などの意見も聞き審議 松永 中島春紫先生は微生物の専門家です。生き物の遺伝子をあつかう利点やリスクを熟知されています。ゲノム編集食品の規制については、厚生労働省の審議会に設置された調査会等で委員として議論をリードされました。私たちの社会は、この新技術とどのように付き合うべきなのか、2回にわたってご意見をおうかがいします。 中島 ゲノム編集食品に関しての市民の関心事はなんといっても安全をどのように守るのか、ということでしょう。安全性は、人が食べた時に安全か、ということと、栽培や飼育、加工や運搬などする時にほかの生物に対して安全か、という2つの面からの検討が必要です。私は、人が食べた時の安全性につい