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  • 風を検分する猫 - 晴天の霹靂

    今週のお題「夏うた」 我が家では腰高の窓にすだれを掛けてある。 北向きの窓であるので、陽ざしよけというよりは野性味にかける家猫が格子から身を乗り出して下を覗いた拍子に落ちないための工夫という意味合いの方が強い。 そんなすだれ越しの風景でも猫はずいぶん楽しいと見えて、気が付けば鼻先をこすりつけるようにしてちょこんと座っている後ろ姿が見受けられる。 日頃暮らしていて猫は大して視力がいいと思えないのであるが、果たしてあんなに細かなすだれの隙間から面白いものが見えているものか。 「何見てるのー」 風を通すためにドアを開け放ってある隣の部屋から行きがかりに声を張り上げて聞いてみるが、黒い背中はぴくりともせずに一人つくねんとする。 ほの暗いすだれを背景にじっと動かぬ猫というのは、思いのほか賢く見えるものだ。 ふと、何か哲学的な、あるいは禅的な、悠久にアクセスするような尊いことを今まさに考えているのじゃ

      風を検分する猫 - 晴天の霹靂
    • 猫の送り火(フライング) - 晴天の霹靂

      昨夜のことだ。 寝る前に換気をしようと窓を明けて夜空を見ていたら、外でにゃあ、と声がした。 慌ててベランダに身を乗り出して下を見る。 声の正体はわからない。ここは五階である。 「明日ちゃんと送って上げるから、もう一日ゆっくりしていきなさい」 などとつぶやきながら、いそいそと線香をつける。 間違えて、暮れ方に送り火をやってしまったのだ。 猫の初盆のためにベランダでささやかながら迎え火をたいたのが13日の夕方。 お盆行事なんて、他にやったことがないからよくわからずに15日の夜にはもう送り火をしてしまった。 ところが夜遅くなってから、どうも送り火は16日に行うらしいことに気づいたのだ。 どうせ一人で自分のペットを追悼するものだから、いつでもいいといえばいいのだけど、たった4日しかないお盆を3日目にそうそうに送り返してしまったのは、ずいぶんと申し訳ないミスをした気がする。 「来年はちゃんとやるから

        猫の送り火(フライング) - 晴天の霹靂
      • この夏、買ったもの買わなかったもの - 晴天の霹靂

        この夏買ってすでに十分に減価償却もすんだのではないかと思われるほど使い倒したのはiwakiのウォータードリップサーバーだ。 iwaki(イワキ) 耐熱ガラス コーヒーサーバー ウォータードリッパー ウォータードリップ 440ml KT8644-CL1 メディア: ホーム&キッチン rokusuke7korobi.hatenablog.com ぼちぼち朝晩も涼しくなってきたが、このウォータードリップで入れたコーヒーをレンジで温めてホットにして飲んでおり相変わらず活躍中である。 落ちるのに数時間はかかるが前もって作り置きさえしておけば、飲みたいと思ったときにインスタントコーヒーくらいの手軽さですぐ飲める。 手軽なわりに安い豆でも種類や水温、自分で挽くか粉で買うか、など細かいところで無限に遊べる、というあたり、どちらかというとギミックとして大いに気に入っている。 嗜好品というのは所詮、生活の中の

          この夏、買ったもの買わなかったもの - 晴天の霹靂
        • 米津幻師『死神』~「えっ、俺?」のところ最高 - 晴天の霹靂

          米津玄師『死神』をずっと聞いております。 何回見ても最後で変な声が出る。 www.youtube.com 米津玄師って人を「なるほどあの声はこの人か」としっかり認識したのって2018年の紅白歌合戦の『lemon』の時でした。 徳島の美術館にあるミケランジェロの『最後の審判』の前で歌っていて、いきなり白いドレスのダンサーが入ってきてカメラ前であんまり激しく踊り狂うので度肝を抜かれたもんです。 「あの白い人はなんだっていきなり入ってきて歌が頭に入らない勢いで一番前で踊りまくっていたのであろうか」 という謎が正月の間脳裏を離れないまま。 「……ベアトリーチェだっ!」 と、しばらく後でひらめいたときの気持ちよさと言ったらなかったのです。 死を悼む歌、最後の審判、白い服の少女。 ダンテ『神曲』の、人生に迷ったダンテが地獄めぐりをした末に、天国から迎えにきてくれる聖女ベアトリーチェだったのではないか!

            米津幻師『死神』~「えっ、俺?」のところ最高 - 晴天の霹靂
          • 『ブレードランナー』~猫・ルトガーハウアー・猫方式でついに鑑賞完了 - 晴天の霹靂

            やたら暑くてほとんど何もできなかったこの夏の、ワタクシ最大の功績のひとつが、ついに『ブレードランナー』を最後まで見たことです。 ここまで何年かかったことやら。 ディレクターズカット ブレードランナー 最終版(字幕版) ハリソン・フォード Amazon だって怖すぎるんだもの、ルトガー・ハウアー。 2019年に亡くなってしまいましたが、レプリカントのリーダー、ロイ・バッティを演じてるのがルトガー・ハウサーさん。 本当に、ちょっとだけ笑うのやめて、怖いから。 それでも私は真面目なタイプですから、 「ブレードランナーほどエポックメイキングな作品を見ずにその後のSF映画を見ていくわけにもいくまい」 と思ってすごくいろんな方法を駆使してビクビクしながら鑑賞しようとし続けてきたものですよ。 もともと「怖い」と「痛い」がやたらに苦手なので、家のパソコンでバイオレンスな映画を見る時にはいろんな手法を駆使し

              『ブレードランナー』~猫・ルトガーハウアー・猫方式でついに鑑賞完了 - 晴天の霹靂
            • 『竹中平蔵 市場と権力』 ~スターウォーズが倍楽しくなる一冊 - 晴天の霹靂

              なぜ今それなのか、と言われても思い出さないのだが『スターウォーズ』シリーズ(ジョージ・ルーカス時代)を見直している。 「色々言っても、わたしは戦争もSFもでっかい宇宙船も、そんなに興味ある方ではないけどね」 と今までは思ってきていたものだが、久しぶりに見直すとこれが面白くてあっという間に6本見てしまった。 今回のおもしろポイントは、意外にも読書体験との混線なのだ。 たまたま、Kindleセールのときに安さにひかれて買ってあったらしい『竹中平蔵 市場と権力 「改革」に憑かれた経済学者の肖像』を読んでいた。 これがまあ面白くて、ページをめくる手が止まらない。 竹中平蔵 市場と権力 「改革」に憑かれた経済学者の肖像 (講談社文庫) 作者:佐々木 実 講談社 Amazon 読んでいて「いやいや、そんな個人の普通の悪巧みが衆人環視のところですーっと通るハズないからw」という気持ちになるんだけど、どう

                『竹中平蔵 市場と権力』 ~スターウォーズが倍楽しくなる一冊 - 晴天の霹靂
              • 冷蔵庫の中のゴリラ ~ずっとそこに居ていいからもう話しかけないでくれ - 晴天の霹靂

                最近のアマゾン購入履歴の中から、1ミリたりとも人におすすめしないもののお話。 フリッジィズー24 冷蔵庫 ゴリラ FGZ-24-GL05 ソリッドアライアンス(Solid Alliance) Amazon 冷蔵庫の中のゴリラです。 冷蔵庫のドアポケットの中に麦茶ポットを並べて置く季節が到来。 我が家の麦茶用の冷水筒は、たまに持ち手のところが庫内の食品と接触してドアがきちんと締まりきらない現象が発生します。 麦茶を作りおくような季節は、冷蔵庫を半開きにしておくのが一番まずい季節でもあります。 冷蔵庫のドアがきちんとしまっていないときに知らせてくれるアラームのようなものがないかと探したのですが、どうも最近のセレブが使う冷蔵庫はそもそも半開きアラームがついてるものが多いようで、あとから付けるようなアラームで手頃な値段のものというのが意外にみつかりません。 それでもとりあえず見つけたのが、この

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                • うなぎのように、それはくる。 - 晴天の霹靂

                  九月にしてはずいぶん暑い一週間だったけれど、やっと少し落ち着いて、日が落ちてくると多少しのぎやすくなってきた。 柔らかな毛が密集してるので肌触りが素晴らしい分、とにかく暑がりでもある我が家の黒猫は、日中は家じゅうの涼しいところ、涼しいところをはしごしてまわり、まるきり人間に顔を見せようとしない日もあるくらいだった。 それがどうやら、やや涼しくなるとふと自分が一人暮らしではないことを思い出して呼びにくるのだ。 「いいよー、今なら遊んであげるよー」 くらいの澄ました顔をして開け放したドアから、にょろり、と黒光りながら仕事部屋に侵入してくる。 「遊んであげるよー、じゃないし!」「お前の方が忙しい、みたいな演出腹立つし!」 と、一瞬、威厳のためにちょっとだけためらうのだけれど、ありがたいので遊んでもらう。 涼しくなるのも、いいもんだ。 しのび込む黒猫にょろり秋の暮れ

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                  • むっと聞きたいだけなのに - 晴天の霹靂

                    うちの猫はそーっと後ろから指でつつくと「むっ」という。 飼ってない人にとっては「猫はにゃあと鳴くもんだ」という思い込みもあるだあろうが、やつらはけっこう「むっ」という。 中でもうちの子はよく「むっ」という。 垂直ジャンプをする時も、猫じゃらしにとびかかるときも、勢い余った力が音声となってだだ漏れやすいタイプの愉快な子なのだ。 わたしがひとりテーブルでご飯なぞを食べていると、ついでみたいな顔でそっと近づいてきて素知らぬふうに窓から外を眺める。 寂しくて人の居る方に近づいてくるのだから、素直にすり寄るなり膝に乗るなりすれば良いものを、わざわざ素通りして、いかにも外を見てるふりなどするところがしゃらくさい。 しかしこちらの気配に全集中してるのは耳の角度から確認済みだ。 おもしろいのでそーっと手を伸ばして背中をつつく。 「むっ」 と言ってちょっとだけ迷惑そうなそぶりなどしつつ、振り向く。 不意打ち

                      むっと聞きたいだけなのに - 晴天の霹靂
                    • ポメラDM200がどんなふうに素晴らしいかに関する冒険 - 晴天の霹靂

                      3月になったので「ここまで来ればもうだいたい春みたいなもんだ」なんて、余裕のそぶりをしていたら、途端にゴウゴウうなり声をあげる吹雪である。 ベランダでは私のネギ畑が、雪が積もったり氷が張ったり散々な目にあっている。 消息を知りたくてのぞき込んでも、土の下の様子はまるでわからない。 土が入っているだけの白いプランターは、素っ気なく扱われた墓地のように見える。 寒いのでパソコンデスクに向かうのは諦めて、昼の日差しの入る居間で大きな窓に向かって居座る。 左足をこたつの猫に枕として提供しつつ、前足のほうで幾ばくか人間としての務めも果たしていこうという趣向だ。 キングジムのポメラという、すごいやつを買ったのだ。怪獣の名前みたいだが、ポケット・メモ・ライターで「ポメラ」である。今時、何万円もするのに文章が書けるだけの謎メカとして、でかい顔をして売られている。 ちょっとだけ無線LAN設定ができ、作った文

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                      • 7月初旬のあれこれ。 - 晴天の霹靂

                        豊作豆苗プランター。 猫と私とで交互に食べているが、水さえやっておけば見る間にぐんぐん伸びてくるので大変楽しい。 ちょっとずつ増やしながら何回目くらいまで収穫できるものか実験中。 生産性とか追求してない謎のプランター。 やたらとにょきにょき伸びてるのは、「冷蔵庫の中でうっかり芽が出てしまったニンニク」。かわいい双葉はたぶん100円ショップの朝顔の種。あとは芽が出たはいいが肝心な葉っぱは猫にかじられたりしてるうちになんだかわからなくなった。 夏の陽射しを謳歌してくれればなんでもいい。 近所を昼寝場所と定めた顔なじみのキタキツネ。 人間は遊歩道をあるいて森林部分には立ち入らないようになってるので、ここで寝てると誰にもからかわれたりせず、幼児から老人までいろんな人間を一方的に観察できてとても楽しいのだと思う。 ゴン、お前だったのか。 梅の実 「今年はどうしようか。梅干しか。土用干しは面倒くさいか

                          7月初旬のあれこれ。 - 晴天の霹靂
                        • 道端のオリンピック、そして吊り革 - 晴天の霹靂

                          道を歩いていたら向こうからおばあちゃんが二人やってきました。 おそらくお友達同士で健康のためのウォーキングなんでしょう、暑い中ふたりともマスクしてお行儀よく並んで歩いてきます。 すれ違いざまに耳に入るおしゃべり。 「……外に出るなっていうし。それでオリンピックだけはやってるでしょう」 「ほんとにねえ」 おお、なんといい街場の感想。これぞリアルの「つぶやき」と「いいね」じゃないかっ!と思ったもんです。 言ったはしから消えていくつぶやきってのは健全でいいもんだな。 そんなことを思って、ついここにリツイートしてしまう次第。 配信サイトで五輪の「今日のハイライト」を見てたら男子体操でした。 あのぐるぐる回る競技をなんとなく「吊り革」だと思ってたんですが、あらためて見たら「吊り輪」だったのでびっくり。 高いところからぶら下がってる持ち手は全部吊り革じゃなかったのか。 あと、吊り輪のときに選手をヒョイ

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                          • ネギを植える ~猫と中年ささやかな春 - 晴天の霹靂

                            思いがけず暖かな日差しが降り注いだ二月のベランダで、ネギを植えた。 おおかた味噌汁の具として使命を終えた小ネギの白い根元をキッチンばさみで切り、新しい土を盛ったプランターに一本ずつ差していく。 いくら日中の気温が上がってきたとはいえ、まだ氷点下になる外気で野菜を育てようというのはさすがに乱暴で、せめて五月くらいまで待つべきだろう、という思いは重々あるのだ。 しかし私がやりたいのは、 「ああ、あんなに厳しい環境の中で長く消息不明だったが、誰にも気づかれないまま君は息を潜めて力を蓄えていたんだねっ!」 という瞬間に会いたいのだ。 こんなに雑な私の保護に期待することなく、忘れた頃に自分のタイミングで出てきてはくれないものか。 無茶を承知で頑なに「いったん忘れられてからの奇跡の再生」に夢を持つあたり、齢四十を超えた我が身を思うになかなか味わい深いものがある。 誰にも期待されてこなかった孤高のロマン

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                            • 憧れのあの子はやり投げ競技場にいたのでした - 晴天の霹靂

                              【今日の観戦記】 女子やり投げのハイライトですごくいいものを発見しました。 オリンピックでもない限りあまり目にしない競技なので「なかなか変わったものだな」なんて思いながら、漫然と画面の中を見ていたのです。 すると、選手が投げ終わったあと、大変かわいい箱が槍の到達した地点に向かってチョコマカと自走してくることに気づきました。 わたしは危うく叫びそうになったもんです。 「出た、スターウォーズのアレ!」 広いデス・スターの廊下でストームトルーパーの足元をチョロチョロしている、箱型ロボットにそっくりです(後に知るところによると修理ドロイドと呼ばれているらしい) 謎の小さな箱が忙し気に走っている様が非常にかわいいと常々思っていたものですが、あの夢のロボットがまさか、やり投げ界に存在していたとは。 何もしてくれていないけどかわいいからとりあえず競技場にいるのだとしたらそっちの方が嬉しいけど、でもきっと

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                              • さくら木の下、坊主めくり - 晴天の霹靂

                                数日前に観測史上二度目に早い桜の開花宣言が出たという陽気の中、月命日のお参りに行ってきた。 そこらの街路にも蕾を抱いた桜はあるが、開花している木がなかなか見当たらないのは、たぶんソメイヨシノでなくヤマザクラが多いからだろうと思われる。 そんな咲いてない桜の木の下のベンチに、ジェームス・ディーンみたいな赤いジャンパーを着て70代(父)が座っていた。 「いやいや、あったかいですなあ」 「なかなか、いいところですなあ」 などと言いあいながら、陽気のせいかいつもより供花の数が多い納骨塚に向かって手を合わせる。 「誰もいないうちに、こっそり」 「そうですな、しめしめ」 若干照れつつ、並んで般若心経を唱えはじめた。 「とくあーのくたーらーさんびゃくさんぼーだい」 のあたりで、なんだか怪しい電子音が聞こえてくる。 「あっ」 ごそごそとスマホを取り出す70代(父)。 しばし画面を見た挙げ句 「出ない。知ら

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                                • 夏目漱石『門』~もちろん、寝ると瞑想にならない - 晴天の霹靂

                                  少し前に読んだ瞑想の入門書で、「瞑想中にどうしても眠くてつらいときは姿勢をただして横になって瞑想してもかまわない」と書いてあったのだ。 夏の暑さになんとなく払いきれない眠気が付きまとう炎昼、 「そういえばどこぞの高僧が、横になってもできるって書いていたし」 と思い出し、いぶかりつつも試しに瞑想中横になってみた。 姿勢と思考というのは不思議なくらい関連する。 今までなんとなく「暑くて眠くてだるいなあ」というところで行き止まりになっていた思考回路の灯火がすーっと遮るものなく遠くまで飛ぶようになる。 「あれ、今まで考えあぐねていたことが全部連絡しあって結実していくのが見えるぞ。悟りとはこのようなものか」 と思ったところでスマートスピーカーがチーンとなり「瞑想が終了しました。お疲れ様でした」と告げた。 正体もなく、ぐっすり寝ていたのである。 夏目漱石の前期三部作の最後『門』は禅寺へ修行へ行くシーン

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                                  • 『オリンピック・マネー』 ~観ても読んでも興味深い東京五輪 - 晴天の霹靂

                                    五輪やってますね。 配信サイトを開いたときに何らかの競技のライブ中継をやっていれば、一応どんな感じなのか再生してみる、くらいは楽しんでおります。 個人的に今回の流れでのオリンピック開催に釈然としないことと、一流アスリートの競技が見られる祭りは「見れば面白い」ことは別腹です。 昨日、パッと配信画面を開いたら水泳をやっていて、あんまり映像がキレイだったのに驚いたもんです。 高性能のカメラで撮ってるから肌にまつわりつく水がジェルみたいに見える様子が素晴らしいので、もはやアスリートでなく水を応援する姿勢。 どこの国でもいいから水頑張れ。 あと、カメラマンがゴールした選手に寄るときに、助手の人がついてきて落ちないように後ろからズボンを引っ張るシーンも好きです。 超高画質映像の舞台裏、めちゃめちゃアナログだな。ズボン引っ張るって。 とはいえ、「感動をありがとうとか言っておけばそれ以前のプロセスはうやむ

                                      『オリンピック・マネー』 ~観ても読んでも興味深い東京五輪 - 晴天の霹靂
                                    • 夏至、何らかの発芽、豆苗のプランター栽培 - 晴天の霹靂

                                      プランターに土を張って、気が向けば果物から取り出した種やら、発芽してしまった野菜やら、もらった百均の種やらを、時々好き勝手に放り込んでいたのが命名「我が家の限界農園」である。 冬の終わりから開墾しているものの、農園というよりは貝塚と言ったほうがいい使用状況であるため、「水をやる」という概念をもたぬまま、今やついに季節は夏至である。 あるときふと水をやってみたら、なんと水やり2日目には何らかの芽がひょこひょこと出始めたのだ。 驚いた。 芽が出るかもしれないなあ、と思ったから植えていたには違いないのだが、実際出るとずいぶんと不思議なものだ。 何のために出てきたんだ、君たち。 限界農園 しかし問題は、なんだかいろいろな種を機嫌よく放り込み過ぎたので、一体何が発芽してるのか全然わからないことだ。 一番それらしいところを考えれば、朝顔とニンニクが発芽してきてるように考えられる。 しかし他にも、ピーマ

                                        夏至、何らかの発芽、豆苗のプランター栽培 - 晴天の霹靂
                                      • 寒い季節のウォータードリップ用コーヒー豆探し ~カルディは色々ちょうどいい - 晴天の霹靂

                                        ウォータードリップコーヒーの話である。 夏の間、せっせとアイスコーヒーを作るのに使っていたiwakiのウォータードリップコーヒーサーバーを、寒くなっても愛用している。 rokusuke7korobi.hatenablog.com 季節によらず「常におとしたてのコーヒーができている」という状況がありがたく、熱をかけてないからちょっとずつ飲んでいても酸化しにくいし、電動コーヒーサーバーよりかさばらなくて設置場所も選ばない。 とにかく使い勝手が良いのだ。 iwaki(イワキ) 耐熱ガラス コーヒーサーバー ウォータードリッパー ウォータードリップ 440ml KT8644-CL1 メディア: ホーム&キッチン もうアイスコーヒーの季節ではないので、飲む分だけカップに注いでレンジで温めている。 そうなると気になりだすのがコーヒーの質である。 夏の間は「さらっと落としてぐびぐび飲めば良し」ということ

                                        • 布団乾燥機「カラリエ」の襲来 ~脳から何かが流れ出る - 晴天の霹靂

                                          布団の干せない季節が長い北海道では「布団乾燥機は生活必需品」、なんてことが言われたりするが、そうは言っても、贅沢の部類に入る家電だと思ってきた。 庶民たるもの、長くじっとりした冬を耐えるからこそ最初の布団干しが嬉しいのである。 ……などとうそぶいている間にも、布団乾燥機は小型化してめっきり手軽になっていたらしい。 ついに我が家に布団乾燥機がやってきてしまった。 「布団乾燥機の要は、あたためである」 と、私は聞いていた。 何よりも冬の人類に感動を与えるのはダニでも乾燥でもなく「あたためモード」なのである、と。 「しかし」と聞いている私は思ったものだ。 たとえ冷たかったとしても最終的に布団の中が快適でなかった夜はないし、布団を暖かくしてから寝るなんていくらなんでも堕落がすぎるのではないか。 そもそも古来より、我々には湯たんぽというものがある。 アイリスオーヤマ 布団乾燥機 ふとん乾燥機 布団1

                                            布団乾燥機「カラリエ」の襲来 ~脳から何かが流れ出る - 晴天の霹靂
                                          • 閉会式「亡くなった全ての人を追悼する時間」はどこだったのか - 晴天の霹靂

                                            札幌では半月前からずっと高めだった予想最高気温が、今日はやや下がって30度。 組織委員会が今日開催の男子マラソンについて「暑さの懸念がないことを確認」と発表していたことになんとなく乗せられて、地下鉄を使うかどうか迷う程度の距離をあえて歩いてでかけた。 最近ずっと熱中症警戒が出っぱなしだったので、少しでも運動をしたかったせいだ。 男子マラソンは予定通り午前7時開始「暑さの懸念がないことを確認」 - 陸上 - 東京オリンピック2020 : 日刊スポーツ (nikkansports.com) そうやってでかけて、一時間くらい炎天下を歩いて帰ってきたら、その後しばらく手足に力が入らない。 「そうか、30度って普通に暑かったっけ」 ということを思い出した。 帰ってみたら男子マラソン競技も30人の棄権者が出ていたことを知る。 昨日より数度下がったところでこれってだいぶ暑いよな。 深部体温40度超「重度

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                                            • 冷やし麦湯 ~旅人の飲むそれは熱いのか冷たいのか - 晴天の霹靂

                                              今年は麦茶をお湯出しにしたので例年になく味と香りがはっきりしてうまく、飲むたびに少しうれしい。 耐熱ガラスのポットに麦茶パックと電気ケトルで沸かしたお湯を入れるのだけれど、当初ちょっと支障があった。 麦茶ポットより電気ケトルの方がだいぶ容量が小さくて、ポットの半分くらいのお湯しか一度に沸かせないのだ。 麦茶を入れるごとに二度もお湯を沸かす気にもなれないので、パックを多めに使って濃く出した後(小一時間でも数時間経ってもたいして構うこたない)パックを取り出したら満タンまで水でうめて冷蔵庫にしまうことにした。 これだと粗熱が取れるのが早くて、結果的に大変いい具合だ。 耐熱ガラスの肌に手の平を当てて熱のとれ具合を計っていると、なるほど本来これは「麦湯」なんだな、と納得する。 以前から古い話にはしばしば出てくる、街道の茶屋か何かで歩いてきた旅人に供される麦湯というものが、気にかかっていたのだ。 それ

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                                              • 愛と羞恥心の間で可愛い珈琲 - 晴天の霹靂

                                                近所に、散歩の途中で見つけた奇跡の珈琲豆屋さんがある。 我が家の周辺はいい珈琲豆屋さんがやたらにたくさんあって、どの店に行くのも楽しいのだけど、中でも一軒だけ、値段がちょっとおかしいところがある。 クオリティに比べて、値段が安すぎるのだ。 個人で豆を仕入れて毎日手作業で焙煎してるとなれば、 「いくらまとめ買い価格とはいえ、この値段になる道理はなかろう?」 と、素人ながらに心配になるくらい安い。 安くて美味しくて家から近いとなれば、自然その店に最も頻繁に足が向かう……ことになるはずだ、理屈では。 ところが珈琲豆の缶の底が見えてきて、「ああそろそろ買いにいかないと」となった後もついグズグズとした挙げ句、いったん別の店に買いに行ったりしてしまう。 安くて美味しいならばそれで最高なはずなのに。 それ以外にいったい何の不足があるかと問えば、これが痛恨の、珈琲豆の名前がやたらに可愛いのである。 どこの

                                                  愛と羞恥心の間で可愛い珈琲 - 晴天の霹靂
                                                • 最近見つけた素敵なOAタップの話をしたい - 晴天の霹靂

                                                  「今時、進化系OAタップくらいで感動してるのはお前だけだ」と思われるに違いないことにも臆さず素直に話したい。 その前にまずOAタップ暗黒時代について縷々述べてみよう。 論点は、なぜ深く考えていない「やっつけOAタップ」は細く長いのか、である。 家具の隙間に押し込みなさいとかテレビ台の裏に隠しなさい、とか。 そういう意図で深く考えずに作ると細く長くなっていくのだろうけども、電気製品が増えれば増えるほど、どれほど悲惨なカオスを作りだすのか、知らない現代人はいないに違いない。 だいたい、隙間なんかに押し込んだ日には掃除もできずに静電気で埃がたまっていく一方だ。 君たちは、どうして事態が手に負えなくなると視界から隠すことで乗り切ったことにするのか。 しかも引っ越しや配置換えの時に急場しのぎで適当に買った「やっつけOAタップ」が、いつまでも家にあり、とりあえず使ってしまう、というのも大変よろしくない

                                                    最近見つけた素敵なOAタップの話をしたい - 晴天の霹靂
                                                  • 紙で読むか電子で読むか ~電子書籍論争再び - 晴天の霹靂

                                                    本の収納場所に関する悩みは、本格的に電子書籍派に乗り換えたことでほぼ解決したと思っていた。 あの本を読むまでは。 わたしが知らないスゴ本は、 きっとあなたが読んでいる 作者:Dain 発売日: 2020/04/30 メディア: Kindle版 私の中の寝た子を起こしにきたのは『わたしがしらないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる』という長い文章の中の、ほんの一ページ程度の情報だ。 松岡正剛のマーキング読書法が紹介されている。 傍線やアンダーライン、キーワードやセンテンス同士を線でつないだりする独特の読み方だ。 しかも特別勧める意味で触れてあるわけでもなく、「自分の本にしか使えない」「再読の邪魔になる」など、一長一短ある方法として簡単に触れてある程度の紹介である。 ところが、これが私の胸に刺さってしまう。 もともと資料として手元に置いてある本や図録などはみっちり書き込みをするのが好きなのだ。

                                                      紙で読むか電子で読むか ~電子書籍論争再び - 晴天の霹靂
                                                    • いたずら好きの猫の鼻先を舐める仕返し - 晴天の霹靂

                                                      腰高窓の横にあるデスクに向かって仕事をしていると、近頃涼しくなってすっかり調子のいい猫が突然、 「んにゃっ」 と言いながら窓越しに私のすぐ脇に飛び込んでくる。 隣の部屋の掃き出し窓から出てベランダでひとり遊んでいたものを、私を驚かすためにわざわざこちらの部屋まで周りこんでジャンプインしてくるのだ。 「ペプシマンかよ!」 と驚くと、猫は満足そうに尻尾を振り立てて、またどこかへ消えていく。 この世界に生まれでて五年ほどの猫がペプシマンのCMを知ってるとも思わないし、 日本語の時代錯誤なツッコミまで聞き分けられると思っているわけでもないが、 とにかく 「やった。ウケた!」 ということまでは自信を持っているようで、近頃はドヤ顔でしばしばこれをやりたがる。 正直、わりとびっくりする。 www.youtube.com チャオ (CIAO) 猫用おやつ ちゅ~る まぐろバラエティ 14g×40本入 チャ

                                                        いたずら好きの猫の鼻先を舐める仕返し - 晴天の霹靂
                                                      • 「下の人はそんなに困ってないんじゃないか」に一票 - 晴天の霹靂

                                                        投票所へ向かう前の午前中、ここ一ヶ月の懸念事項である「階下への風呂の水漏れ問題」について、近頃懇意の元水道屋さん(a.k.a実父)に相談の電話をしてみた。 「……ごそ……ごそごそ……もしもし…ごそごそ」 「あ、ちょっと聞きたいことあるんですが大丈夫ですか。出先にいるんだったら夕方にでも掛け直します」 「……ごそごそ…いや、大丈夫。……ごそごそ(どうやらテレビ電話で受信してしまったので自分の顔が写っていることに超焦っている)」 「あの、古い集合住宅のお風呂の排水について聞きたいことがあるんです」 「はあ」 「うちでお風呂の排水をすると下の階の浴室の天井の隅から結露みたいにぽたぽた水漏れがしてくるという事案がありまして。 配管はうちの専有部分ではなくてコンクリートの下、つまり階下の天井にあって非常に面倒くさいと」 「古い集合住宅ならそうだろうな」 「このような場合、工事は可能なものであろうか」

                                                          「下の人はそんなに困ってないんじゃないか」に一票 - 晴天の霹靂
                                                        • 夏をむかえる窓拭きと丸粒麦茶 - 晴天の霹靂

                                                          初夏の素晴らしい日差しを存分に室内に入れるべく窓を拭いていたら、ガラス越しに室内の猫が眼をまるくしてこちらを見ている。 そんな珍しいものを見るような視線で窓掃除を見るんじゃない。 まるで私がめったに窓を掃除しない人みたいではないか。 大きく右、左、右、左、とクロスを振っていくと、頓狂な顔をした黒猫が一緒に右、左、右、左と顔を振るのでやめられなくなる。 なんだこれ、めちゃめちゃ面白いな。 窓拭きには、「濡らした新聞紙で拭くと跡がつかない」という知恵が広く流通してるようであるが、あれほど堂々と期待を裏切ってくる知恵袋も珍しい。 新聞紙なんかで拭いたら、その後しばらく薄汚れたガラス窓とともに暮らす羽目になる。 駅売りのスポーツ新聞じゃないと駄目とかなんとか、あれは実は特殊なコツがあって、世界で私にだけ知らされてないんだろうか。 私が知る限り、 SDGS的には新聞紙よりだいぶ形見が狭くなるものの、

                                                            夏をむかえる窓拭きと丸粒麦茶 - 晴天の霹靂
                                                          • 『政治家の覚悟』~五輪種目のひとつとしての会見 - 晴天の霹靂

                                                            なんと言っても今日のハイライト競技はこれであろうということで首相会見を観戦しておりました。 「テレビ観戦」と「ワクチン」という2語で一時間乗り切ったら勝ち、というルールであるらしいということがだんだんわかってきたころに終わってしまったのだけど、それなりに面白かった。 どうやら私はアストラゼネカ直撃世代であるらしいのですが、どういったものですかね。 「まれに重篤な副反応があるらしいので認可してない地域がある」という話を聞いた記憶はしばらく前のこと。 それが会見をみてたら突如この感染者数が過去最高になったタイミングで「認可おりたから40代打って」となったので 「なんか、今途中で大事な話が一個抜けなかったっ?」 と当事者としては思ちゃうところです。 「こういう懸念があったから今まで認可おりてなかったんだけど、現状ではリスクがこうでベネフィットがこうなんでひとつよろしく」とか、そういうやつはやらな

                                                              『政治家の覚悟』~五輪種目のひとつとしての会見 - 晴天の霹靂
                                                            • 総裁選読書祭りvol.1 ~岸田氏、河野氏、下村氏 - 晴天の霹靂

                                                              なにやら政権与党の方で祭りをやっているらしいので、昨今はその読書週間を開催しております。 まずはこの機会に出版された3冊。 岸田文雄氏 岸田ビジョン 分断から協調へ 作者:岸田文雄 講談社 Amazon 東大受験に3回失敗したエピソードが味わい深い。 身近な友人や親族に東大出身者が多いんですって。 とくに親族の男性はほとんどが東大から官僚、というルートを通っているので 「自分も自然にしてればそうなるんだろう」 と思っていた、と。 それで高校生活、野球部で活躍し、ギターも弾いてご機嫌に青春をエンジョイしていたら一回目の受験に失敗。 まわりの知り合いたちはみんなそんなに無茶苦茶勉強してるふうでもなく、普通に生活して普通に東大に入っていくのに「おかしいなあ」とか思いつつ、翌年も挑戦、落第。 さすがに3回目はちょっと心配になってきて東大以外にも早稲田と慶応を受けたら早稲田だけ受かった、という経緯が

                                                                総裁選読書祭りvol.1 ~岸田氏、河野氏、下村氏 - 晴天の霹靂
                                                              • 深夜二時、レモンゼリーと骨壷袋 - 晴天の霹靂

                                                                深夜2時にかんてんぱぱで作ったレモンゼリーを食べていた。 まず、なぜ深夜2時にかんてんぱぱで作ったレモンゼリーを食べていたのかという話をしようと思う。 お腹が空いたのだ。 お腹が空いたが、大人としてはこんな夜更けになにか食べるというのはいかがなものか、というような時間である。 その点、固めた寒天液は構成要素が水と水溶性食物繊維なのであるからして、「良心の問題としては食べたうちに入れないことが可能」でありながら、「腹持ちの瞬間最大風速としては相当頑張れる」という条件を満たす。 唯一の欠点としては、水のがぶ飲みとほぼ同じことになるので、寝付いてもトイレに行きたくなって目が覚めるところなのではある。 だが、私は深夜に何度トイレに行ってもなんのためらないもなくすぐに再入眠できるほど強靭な熟睡力の持ち主なので「ちょっと面倒くさい」という以上の実害はない。 これは自慢に値する能力と言えるだろう。 つづ

                                                                  深夜二時、レモンゼリーと骨壷袋 - 晴天の霹靂
                                                                • どう立ち回っても後手にまわる師走との闘い ~正月の食事を考える - 晴天の霹靂

                                                                  年末に向かって食材はどうせ高くなっていくので、年の瀬に使うとわかっていて日持ちのするものはそろそろ買い始めている。 たけのこの水煮やら、こんにゃくやら、栗の甘露煮やら。 改めて「おせち」を作るつもりはないとは言っても、元旦からお米を炊くというのもなんとなく妙な気持ちになるし、面倒でもあるので、そういうことならまあ三が日くらいは保つ「作り置き」を年末までにやっておこう、という話になる。 バランスやら日持ちやら考えて作り置きしていくと、結局簡単なものばかりとはいえ、それなりにおせちっぽいものを、なんだか毎年作っている。 タッパーに入ってるからわけがわからないだけで、重に詰めてあれば結構それっぽいはずだ。 そうは言っても、餅が主食の下戸の正月。 数の子やら昆布巻きやら、酒肴っぽいものにはあまり興味をもたないまま来たが、今年は不意に一人暮らしになってしまった父が居る。 あの家にも多少の膳は届けよう

                                                                    どう立ち回っても後手にまわる師走との闘い ~正月の食事を考える - 晴天の霹靂
                                                                  • ブレンディポーションコーヒーをバニラアイスにかけて食べるのです - 晴天の霹靂

                                                                    思い起こせば夏の始まりの頃、 「今日はアイスコーヒーが飲みたいなあ」 なんていう気候がぼちぼち始まった時期に、初めてポーションタイプのコーヒー原液を買ってみたのです。 AGF ブレンディ ポーションコーヒー 無糖 24個 【 アイスコーヒー 】【 コーヒー ポーション 】 発売日: 2014/03/01 メディア: 食品&飲料 アイスコーヒーのボトルを買って帰る重さの苦労もないし、カフェオレなどにすればそこそこおいしく飲めるのでしばらく買い置いておりました。 その後夏が本気を出し始めてアイスコーヒーの消費量も増えたあたりで、コーヒーの粉をだしパックに入れて水に漬けて冷蔵庫に8時間で抽出する、水出しコーヒーの作り置きに変更。 ポーションコーヒーの余りは、涼しくなって「毎日作り置くほどでもないけどたまには冷たいコーヒーも飲みたい」という気候になるまでとっておくために調味料棚に鎮座する運びになり

                                                                      ブレンディポーションコーヒーをバニラアイスにかけて食べるのです - 晴天の霹靂
                                                                    • 『百年の孤独』~なぜ地味な世界に突如派手なものが出現するのか - 晴天の霹靂

                                                                      着々と日が長くなり、昨日まで何もなかったところに植物が芽吹く。 日ごとに生命に刮目する季節がやってくる。 そもそもおかしいと思うのだ。 冬の間は空気も灰色かったし、雪の下からやっと出てきたぬかるみは黒っぽい茶色だし、雪解けの水だって泥の色だ。 そういう地味な色の粒子をいくら混ぜあわせたって鮮やかな色などできっこないのに、花はある日突然、そういうよどんだ色の中に突如として不自然な彩度を持って出てくる。 どこから来るのか、この緑は。紫は。黄色は。白は。 唐突な色彩に驚きつつ4月の風の中をウロウロしていたら『百年の孤独』を読みたくなった。 最初に読んだときは、登場人物が全員同じ名前であることに目がくらみ、傍らで家系図を作りながら読むのに労力を割いてしまったために、読書してるんだか知らない人の身元を調べてるんだか、なんだかわからない時間になってしまった記憶がある(おもしろかったけど)。 それでも一

                                                                        『百年の孤独』~なぜ地味な世界に突如派手なものが出現するのか - 晴天の霹靂
                                                                      • LEDリングライトを買ってみた ~しばしば若者の部屋で見かける丸いやつ - 晴天の霹靂

                                                                        NHKで放送している『金曜日のソロたちへ』という、一人暮らしの家にライブカメラを設置してひたすら覗く番組が好きなのだが、その中でしばらく前から気になっていることがあった。 www.nhk.jp 若者の部屋には高い確率であの「丸くて光るやつ」がある、という事実である。 薄々は知っていたのだ。 あの「丸くて光るやつ」はセルフでライブ配信するときに使うためのドーナツ型のLED照明であることを。 しかし、今やあれほど広く人口に膾炙した存在であるとまでは思っていなかった。 なぜあんな形なのか、ということも同番組を通してようやく理解するようになる。 配信するカメラをドーナツの穴部分にセットするとちょうどいい具合に被写体に光が行き渡り、簡単にバランスの良い照明の状態を作り出せる、らしいのだ。 あまり何度も、いろんな部屋で見かけるので 「私も、あれを持っているべきなのではないか」 と、思い始めた。 web

                                                                          LEDリングライトを買ってみた ~しばしば若者の部屋で見かける丸いやつ - 晴天の霹靂
                                                                        • 『007/ノータイム・トゥ・ダイ』~「あーあ、タイミング逃しちゃって」と思っていたことを謝りたい - 晴天の霹靂

                                                                          『007/ノータイム・トゥ・ダイ』を見てきました。 www.youtube.com 思い起こせば2020年早早に公開間近というので前年末からさかんに劇場予告がかかっていたものが、降って湧いたパンデミック騒ぎで公開延期。 でもあの頃は世界中で「そうは言っても局地的な騒動だろうし、数ヶ月で治まるんだろう」という楽観主義がおそらくまだあって、無邪気に公開をまってるうちにどんどん事態が悪化。 なんか娯楽どころじゃないし、いつまでも公開はされないし、こっちも映画館に行く習慣を失っていくし。 そうこうするうちに劇場と同時にオンデマンド配信みたいな形をとる新作映画なんかも出てくる、とあって、なんとなく 「あーあ、公開時期のがして鮮度だけ落ちちゃったのね」 みたいな気持ちも芽生え始めてきたのが昨今でありました。 正直なところ、コロナ前の危機感で作られた映画を、このコロナ後の人類がどれくらい緊迫感を持って見

                                                                            『007/ノータイム・トゥ・ダイ』~「あーあ、タイミング逃しちゃって」と思っていたことを謝りたい - 晴天の霹靂
                                                                          • 収穫の秋来たる - 晴天の霹靂

                                                                            花の売り場に鬼灯がかわいらしく色づいている。 ぜひ買って帰りたいが、うちには好奇心が強いうえになんでも口に入れてしまうやんちゃな猫がいるのだ。 毒のある植物を部屋に置くのはあきらめ、ポンポン咲きの菊を選ぶ。 小ぶりなくせにピンピンと鼻先のとがった威勢のよい秋刀魚が出ている。 今日は塩焼きとしても余ったぶんを腹と頭を落として下処理までしておくだけの時間が取れないかもしれないから、次に来たとき買おう。 まだ出始めであろう小さな薩摩芋がたくさん入って安い。 よしよし、これはまとめて焼いて冷凍だ。 柿が安くなっている、キノコが安くなっている、リンゴが安くなっている。 あの恐れ多いシャインマスカットでさえ、まあまあ安くなっている。 鮮魚コーナーで筋子はピカピカと光り、総菜コーナーではおはぎが子猫のように丸く寝る。 秋は祝祭なのだ。 山の羆も、木立の栗鼠も、今頃はみんな忙しいに違いない。 「ほれほれ、

                                                                              収穫の秋来たる - 晴天の霹靂
                                                                            • ヘップバーンである夜もある - 晴天の霹靂

                                                                              真夜中、ずっとパソコンをつけていた部屋は熱がこもって暑いので、虫が入らないように室内の電気は消し、窓を開け放って寝る前の換気をする。 ベランダのすぐ下は小さな小さな公園があり、誰もいない滑り台の脇にオレンジ色の街灯がひとつ静かについてほの明るい。 左手に見えるまあまあ金持ちの巣窟らしい高層マンションはだいたいの部屋が寝静まって、かたや右手に見える黒く沈んだ山並みはしっとりと夜霧に霞んでいる。 ひんやりとしていい夜だ。 「ちょっとオートミールでも作ってこようか」 いい調子になってきたので耐熱ボウルにオートミールと塩ひとつまみと水をいれてレンジにかけた。 寝る直前にあんまりものを食べるもんじゃないと、現代人にわずか残された満足に水をさすために何者かによって流布された罪悪感が世間にはびこっているが、その件に関しては 「バーカ、これが一番おいしいんだよ」 (『大豆田とわ子と三人の元夫』コロッケのシ

                                                                                ヘップバーンである夜もある - 晴天の霹靂
                                                                              • 『エヴァンゲリオン劇場版』および『呪術廻戦』~頑張ってみるもよし、楽しく見るもよし - 晴天の霹靂

                                                                                TV版から初めてネットフリックスで着々と鑑賞中のエヴァンゲリオンシリーズ、めでたく「劇場版」まで見終わりました。 相変わらず、辛気臭いし、シンジ君はブツブツ言ってて動かないし 「……うむっ、やはり見るのがつらいぞ」 と思っていたのですが、巨大フジ隊員(綾波レイ)登場あたりからだいぶ面白くなり、最後大笑いでの「見たよ、あれ面白かった!」ということになりました。 新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に 発売日: 2019/08/01 メディア: Prime Video 「で、どうだった?」って聞かれるものだから、 「細かいところはよくわからぬが、『ほんとうは性交より自慰行為の方が楽しいものであるが、その手のことを堂々と言うと異常な人だと思われがちだからなるべく人には黙っておいた方が無難である』というアニメだったように見受けられた」 と、いかにも鑑賞直後ホヤホヤの感想をぶつけると

                                                                                  『エヴァンゲリオン劇場版』および『呪術廻戦』~頑張ってみるもよし、楽しく見るもよし - 晴天の霹靂
                                                                                • 確信は持てないが、気になって仕方ない - 晴天の霹靂

                                                                                  全然確信を持てない話である。 毎回毎回気になるので、あながち気のせいとも言い切れないと思うのだが、人間の感覚は当てにならない。 どこかの時点の思い込みがその後の経験にバイアスを掛けていないという自信までは持てないのだ。 いつのころからから、iPhoneをマナーモードにしたときの音声通話着信の自己主張が異様に弱くなってはしないか。 人前でいきなり電話がピロピロ鳴ることが嫌なうえに、細かく切り替えるほどマメな性格でもないので、私は常に携帯電話はマナーモードで使ってきた。 バイブレーションは実際のところ結構響くもので、置き場所によっては着信音より響くことすらあり、不便を感じたことはこれまで一度もなかったのだ。 それが、いつのころからか。 ここひと月くらいのことではないかと思われるのであるが、相当静かなところに居ても着信に気付けずに、ふと画面をみたときに「つい今しがたの着信を取り損ねている!」と発

                                                                                    確信は持てないが、気になって仕方ない - 晴天の霹靂