写真と文 石田昌隆 映画『ボブ・マーリー:ONE LOVE』でも、ボブ・マーリーがラスタファリアンであることが描かれていた。 ラスタファリアニズムという、思想、運動、あるいは宗教は、マーカス・ガーヴィーという、主に1910年代から20年代半ばにかけてアメリカで活躍したジャマイカ生まれの黒人解放運動家が、演説のなかで度々このような発言をしていたことがきっかけとなって生まれた。「アフリカを見よ。黒人の王が誕生するであろう。そのとき解放の日が訪れるのだ」 そして1930年、エチオピアで第111代皇帝にハイレ・セラシエ1世(Haile Selassie I)が即位した。彼の称号は“キング・オブ・キングス、ロード・オブ・ローズ、ユダヤ支族の獅子王陛下、神の選民”というものだった。このニュースを知ったジャマイカの黒人たちの間から、マーカス・ガーヴィーの予言が現実のものになったと受けとめる動きが出てきた