ドイツのロシア向け輸出が近年大幅な伸びを示している。 EUとロシアの関係はここ数年、ロシアによる安定的なエネルギー供給、ロシアによるポーランドやバルト諸国に対する圧力問題、米国による東欧へのミサイル防衛(MD)システム配備問題、ロシアの人権問題などでぎくしゃくした関係が続いている。エネルギー安定供給と貿易拡大などを盛り込んだEUとロシアの間の新しい協力協定の年内締結をめざして今年5月に開催されたEU・ロシア首脳会議でも交渉開始に向けた糸口はつかめなかった。首脳会議ではEUの議長国であるドイツのメルケル首相とプーチンロシア大統領との間で激しい応酬も行われたとされるが、二国間、特にドイツのロシア向け輸出を見る限り、輸出の増大は極めて顕著で、いわば“政冷経熱”の観を呈している。 確かに先の首脳会議では、両国の首脳の間で激しいやりとりが行われたが、ロシアでは、メルケル首相の発言はあくまでEUの代表