ロシア経済は2003年以降、石油・天然ガス価格の高騰を背景に好況を謳歌してきた。しかし、その一方で、非政府部門の対外的な資金繰りや、インフレ圧力の高まりなどの問題が顕在化している。 ■石油・天然ガス価格の高騰を背景に高成長が持続 ロシア経済は2003年以降、石油・天然ガス価格の高騰を背景に、好況を持続してきた。2007年の実質GDP成長率は7.8%に達し、連邦政府の財政収支は名目GDP比5.5%と大幅な黒字を記録した。対外バランスは、経常収支黒字が同5.8%を計上するなどきわめて安定しており、外貨準備は中国と日本に次ぐ世界第3位の4,810億ドル(2月8日時点)に達した。また、政府は去る2月1日に、石油の採掘税と輸出税を原資とする石油安定化基金(Oil Stabilization Fund)に国民福祉基金(National Welfare Funds)の機能を加えるとともに、対外証券投資