夫婦が同じ姓を名乗ることを義務付けた民法の規定は憲法に反するとして、出口裕規弁護士とその妻が、国を相手に合計10円の損害賠償を求めた訴訟で、東京高裁(大段亨裁判長)は3月26日、訴えを退けた一審の東京地裁判決を支持し、夫妻の控訴を棄却した。 夫妻は2018年に再婚し、妻が「出口姓」を名乗ることになったが、妻の連れ子(中高生)は前夫の姓になっている。子どもたちは将来、妻の旧姓に戻る希望を持っているが、夫婦同姓の規定があるために、困難になっている。 選択的夫婦別姓をめぐっては、2015年に最高裁大法廷で「夫婦同姓は合憲」との判断が出されている。これに対し、出口弁護士は「最高裁大法廷判決は、子連れ再婚の場合について具体的に検討していない」と指摘していた。夫妻は最高裁に上告する意向を示している。 ●「姓を自由に定めることは本来の性質に沿わない」 東京高裁は判決で、2015年の最高裁判決が連れ子再婚