靴がところ狭しと並び、奥からにぎやかな笑い声が響く。東京・飯田橋駅近くの、民家や町工場が密集する下町の袋小路にある古びた一軒家。「こもれび荘」と名付けられた木造二階の家に週末、家族のきずなや仕事を失った人々が三々五々、寄り集う。 「ここに来ると同じ境遇の仲間がいて、自分を隠さなくてもいいんだよね」。心臓に持病があり、飲食店経営に失敗し路上生活を体験した中年男性が言う。「つい来ちゃうっていうか、生活の一部」。十五年間ごみ拾いで生活し「天涯孤独だった」というおじいさんが、ほっとつぶやく。 自立生活サポートセンター「もやい」は四年前から、ここで「カフェ」も営む。路上生活を脱し、アパートに入居してからも立ち寄ってもらおうと、自家焙煎(ばいせん)のコーヒーを百円、ランチを三百五十円で提供する。 「もやい」とは「舫(もやい)」。荒波を乗り越えるため、船同士を固く結び合わせること。設立の中心にいた三十八
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