光学機器大手「ニコン」(東京都千代田区)の工場に派遣されて働いていた業務請負会社「アテスト」(旧・ネクスター、名古屋市)の男性社員が自殺したのは、過重な業務が原因として、母親が両社に損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が28日、東京高裁であった。 都築弘裁判長は賠償額を1審より約4500万円増額し、両社に計約7000万円の賠償を命じた。 訴えていたのは、岩手県一関市の上段(うえんだん)のり子さん(60)。判決によると、次男の勇士さん(当時23歳)は、1997年10月に旧ネクスターに入社して埼玉県熊谷市のニコンの工場に派遣され、半導体製造装置の検査業務に従事した。勤務は昼夜2交代制で、勇士さんの残業は多い月で約100時間に上り、勇士さんは99年3月に自殺した。