日本はいま未曾有の大混乱の中にある。つまりカオスだ。技術革新の大波は、情報通信のボーダレス化を促し、大企業といえども安閑とはしていられない時代だ。 新しい産業が次々と登場し、新興勢力が勃興する一方で、旧来勢力は市場から撤退を余儀なくされ、新旧交代が加速する。ビジネス・ルールも変わる。国際標準とか、ディファクトとかが猛威をふるい、いまビジネスマンを驚愕させるのはビジネスモデル特許攻勢だ。会計基準も決算処理も、新しいルールが適用される。 これは百年に一度あるかどうかの一大変革期といえるだろう。混乱期というのは新しいビジネスを生み出す絶好のチャンスでもある。カオスの世界には、底知れぬエネルギーが秘められている。旧来から墨守されてきた既得権益が崩れ、ベンチャーたちが活躍できるフロンティアが広がるからだ。とはいえ、私たちは羅針盤を持たない難破船に乗っているみたいで、まるで展望が見えてこない。荒波を乗